核移行型ドナーDNAプラスミドによる新規遺伝子ターゲティング技術の開発
Project/Area Number |
22K15029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石橋 理基 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (20778279)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | CRISPR-Cas9 / CRISPR-Cas12a / Gene targeting / pCriMGET_9-12a / ゲノム編集 / CRISPR-Cas / 遺伝子ターゲッティング / 核移行型ドナープラスミド / 遺伝子治療 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、長鎖ドナーDNAテンプレートの核移行を介した新規CRISPR-Cas遺伝子ターゲッティング技術の開発である。具体的には、初代培養細胞等の非分裂細胞およびマウス受精卵におけるドナーDNAプラスミドの核移行について検証し、高効率・高汎用性を備えた新規核移行型長鎖ドナーDNAプラスミドの開発を目指す。本研究により開発される高汎用型遺伝子ターゲッティング技術を用いて、様々な遺伝子改変実験動物、および細胞株の迅速な作出が可能になることに加え、新たな遺伝子治療法の開発に繋がることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長鎖ドナーDNAテンプレートの核移行を介した新規CRISPR-Cas遺伝子ターゲッティング技術の開発である。 本年度は、以前の研究にて開発したpCriMGET(plasmid of synthetic CRISPR coded RNA target sequence-equipped donor plasmid mediated gene targeting)システムを改良し、CRISPR-Cas12aを用いた遺伝子ターゲッティングにも対応したpCriMGET_9-12aシステムを開発した。マウス受精卵の核にpCriMGET_9-12aドナープラスミド、Cas12aタンパク質、標的ゲノム切断用crRNAおよびpCriMGET_9-12a切断用crRNAをマイクロインジェクション法により導入し、Rosa26遺伝子領域に全長5.5kbの長鎖ドナーDNAテンプレートをCRISPR-Cas12aを用いて挿入したノックインマウスの樹立に成功した。また、Hipp11領域に全長5kbの長鎖ドナーDNAテンプレートをCRISPR-Cas9を用いて挿入したノックインマウスの樹立にも成功し、pCriMGETシステムと比較してノックイン効率が向上した(Ishibashi R., et al. Sci. Rep. 2022)。加えて、複数の遺伝子座において様々な長さの長鎖ドナーDNAテンプレートを用いた遺伝子ターゲッティング個体の作出に成功した。 pCriMGET_9-12aシステムの開発により、CRISPR-Cas9だけではなくCRISPR-Cas12aを用いても効率的な長鎖ドナーDNAテンプレートのターゲッティングが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、pCriMGET_9-12aシステムを新たに開発し、マイクロインジェクション法によるマウス受精卵への導入によって22系統の新規ノックインマウスの樹立に成功した。得られたF0世代の個体と野生型マウスを交配し、ノックイン配列が次世代へと遺伝することも確認した。またドナーDNA配列はIn-frameに挿入されていることも確認した。加えて、培養細胞においても、pCriMGET_9-12aドナーとCas9タンパク質およびsgRNAを発現するplasmidを共トランスフェクションすることで、長鎖ドナーDNAテンプレートがノックインされた細胞株の樹立にも成功した。しかしマウス受精卵において、エレクトロポレーション法によるpCriMGET_9-12aドナープラスミドの核移行は確認されず、ノックイン個体も獲得することはできなかった。このことから、ノックイン個体の効率的な樹立には長鎖ドナーDNAテンプレートの核への移行が重要であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果を受けて、引き続きpCriMGET_9-12aシステムをベースにした長鎖ドナーDNAテンプレートの核への送達方法について検証を続ける。DNA結合ドメインを融合したCas9タンパク質発現プラスミドの構築は完了しており、リコンビナントタンパク質の精製を進める。また、ヌクレアーゼ活性欠損型dCas12aの結合配列の設計も完了しており、pCriMGET_9-12aへの搭載を進める。加えて、レンチウイルスのPIC構成因子(インテグラーゼおよびVpr)のリコンビナントタンパク質発現プラスミドの構築と精製を行う。必要な因子の精製が完了次第、初代培養細胞でのActB遺伝子座へのP2A-mCherry配列の挿入、およびマウス受精卵でのRosa26遺伝子座へのCAG promoter-Venus配列の挿入検証を進め、ドナープラスミドの核移行による新たな長鎖ドナーDNAテンプレートのノックインシステム構築を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)