時間軸の標本化と入力軸の量子化を考慮した次世代パワートレインのアクティブ振動制御
Project/Area Number |
22K20396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0301:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, fluid engineering, thermal engineering, mechanical dynamics, robotics, aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米沢 平成 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50944328)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 自動車 / パワートレイン / 振動制御 / 標本化 / 量子化 |
Outline of Research at the Start |
自動車のパワートレインのアクティブ振動制御は,快適性や走行性能,部品寿命を向上させるために必須の技術である.近年,制御系とパワートレインが相互にサイバー空間を介してつながりつつあるため,制御入力信号の離散化の悪影響が無視できなくなる.本研究は,時間軸(横軸)の標本化と制御入力値(縦軸)の量子化という2つの離散値制約を考慮したパワートレインのアクティブ振動制御系を提案する.提案手法では,サンプル値制御理論と最適動的量子化器を応用することで,離散化による性能劣化を防ぐ.これは,既存のアクティブ振動制御系が抱える実装上の課題を包括的に解決できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度では,本研究で取り扱う最適動的量子化器の設計手法を検討し,その有効性についてパワートレイン振動モデルを用いて確認した.まず,実車のデータやモデルを参考に,詳細なパワートレイン機構のモデル構造を確認した.本研究では,物理機能モデルというモデリングアプローチによって,実車のパワートレインをモデル化する.このアプローチは非線形性を含む制御対象の時変線形状態方程式を与えるものであり,得られたモデルは後の制御系設計や動的量子化器の設計に有効活用できる.また,制御入力の離散値制約についても,その縦軸の量子化幅の設定などを検討した.次に,離散値制約に対する制御系の検討を行った.具体的には,縦軸で制御入力の値が離散的になることによる影響を補償するために,先行研究で提案されている最適動的量子化器をパワートレインの振動制御系に応用した.特に,最適動的量子化器の係数行列には正則性に関する制約があり,適用対象によっては設計や安定性を妨げる.本研究では,この課題に対してパワートレインのモデリングによる対策が有効である点を確認した.最適動的量子化器を導入した制御系については,実車を想定したパワートレインのモデルに実装し,その有効性を確認した.特に,単純な静的量子化による結果と比較し,制御性能の点で優位性を確認した.また,パワートレインの非線形特性や機械制約を考慮した振動制御器の性能も確認した.時間軸の離散化による悪影響に対しては,サンプル値制御器の応用と改良を検討し,粗い制御周波数条件下でその性能傾向を精査した.上記と関連し,基礎となる成果は学会等で発表されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において,パワートレイン検証条件やモデルの確認,離散値制約の設定,縦軸の量子化制約に対する最適動的量子化器の応用とモデリングに基づく設計手法の構築,およびその性能の検証は遂行できた.また,時間軸の粗い標本化幅に対するサンプル値制御系の適用と性能傾向の精査も行った.以上より,提案手法である離散値制約を補償した振動制御系を構成する重要な要素が検証された点において,研究計画は概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き最適動的量子化器やサンプル値制御器を検討し,様々な条件下で検証を行う.制御性能をより詳細に考察し,ロバスト性や離散値制約への補償効果をさらに付与できるよう,制御系の改良やチューニングを試みる.このため,基本的に前年度の検討項目も適宜再評価を行う.また,量子化器と併用する振動制御系には,非線形特性への対処など様々な要素が求められるため,これらが複合的に影響する可能性もある.従って,必要に応じて振動制御系の検討にも取り組む.最適動的量子化器およびサンプル値制御器の実験検証を行うことも目指す.次年度は学会発表や論文投稿など成果の取りまとめも行う必要があるため,上記それぞれの項目と合わせて,柔軟にスケジュールに対応する.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)