Project/Area Number |
23K17115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 眞惠 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 助教 (20896831)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ディアスポラ再移住 / ディアスポラ / 移民 / 高麗人(コリョ・サラム) / 日系人 / 多文化共生 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ディアスポラ集団が歴史的に規定されてきた「想像の故国」を共有しながらホスト社会の中で居場所を求めて生きてきた現実を前提とし、さらに彼らの一部が「故国」に再移住することによって「二重のディアスポラ」となっている事例に着目する。特に、旧ソ連地域のコリアン・ディアスポラ(コリョ・サラム)の韓国への再移住と、日系ブラジル人の日本への再移住に焦点を当て、彼らが故国であるホスト社会に流入する過程を解析し、ディアスポラの多様な存在様式の実態を考究する。さらにグローバル化以降の21世紀に特徴的な二重ディアスポラ論の事例研究を通じて、国際的な多文化共生研究への寄与をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人口の国際移動によって古くから存在しているディアスポラの実態を踏まえた上で、21世紀のグローバル化によって、ディアスポラ人口がさらに出自元の「故国」へ帰還したり、第三国へ移住したりすることによって、再度ディアスポラ化する現象が生じていることに着目して、その実態を解明し、さらにそれを理論的に位置付ける枠組みを創出することにある。本研究では、「故国への帰還」などによって生じる状態を「二重ディアスポラ」と呼び、事例として、中央アジアのコリアン・ディアスポラであるコリョ・サラム(高麗人)が韓国に移住したケースと、ラテン・アメリカの日系人が日本に「帰還」したケースとしての日系ブラジル人の事例と比較考察する。これらの事例から、彼らのエスニック・アイデンティティが故国に帰還した後、どのように摩擦、融和、変容、受容されてきたのか、実態を具体的に明らかにする。特に、両事例を中心に帰還移住の実態、彼らの受入れに関わる政策と制度に対する現地調査を実施し、「二重ディアスポラ」の概念と定義を精緻化し、この概念に基づくディアスポラ研究の拡張をおこなう。本研究は次の3段階に分けて実施することを目標としている。第一に、韓国・日本の帰還移民受け入れに対する制度的調査を行う。第二に、事例研究を行う。第三に、 研究のとりまとめと成果公開を行う。2023年度には、韓国・日本の帰還移民受け入れに対する制度的調査行った。その中で特に韓国のコリョ・サラム受け入れについて明らかにするために、韓国の在外同胞政策が胎動した1960年代から現在に至るまでの同政策と、在外同胞受入の関連制度を対象に帰還移住者受け入れとその実態に対する調査を行った。韓国の同胞受入の全体的な脈絡に基づき、各国のディアスポラ状況によって異なる同胞という主体者としての受入実態とその要因を究明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度に目標としていた「韓国・日本の帰還移民受け入れに対する制度的調査」のうち、日本の事例である日本の日系人受け入れについて、日本の日系人受け入れ政策の視点前後から現在に至るまで、同政策と関連制度に対する調査を実施し、日系人の長期滞在が定住化につながるにつれ、受け入れ政策の根幹となった政府による同化政策の維持、民族と国籍の境界の曖昧さによって明らかになった諸問題にどのような対応がなされてきたのか、その実態究明についての検討はやや遅れているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の日系人受け入れの実態究明を含めて、今後、日系人の集中居住地へのフィールド調査を行う予定である。具体的に1990年、入国管理法の改正以来、日系人の受け入れにより形成された集中居住地を中心に、彼らの移動が増加、拡大してきた。彼らが直面してきたアイデンティティの変容に焦点を当てて、主にどのような問題が発生し、どのように解決してきたのか、日本国内の日系人集中居住地とコミュニティを中心に彼らの還移住過程のプロセスを、文献および聞き取り調査から分析する。さらに、集中居住地の形成時点、構成日系人の特徴、内部コミュニティの特徴などを考察し、集中居住地を比較分析して類型化を行う。
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