Project/Area Number |
23K21625
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Project/Area Number (Other) |
21H03366 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
早川 清雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (00368292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (70438191)
田村 篤志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (80631150)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 炎症 / マクロファージ / 自然免疫 / コレステロール / 自然免疫応答 / 脂質 / TLR / 炎症応答 / 自然免疫シグナル |
Outline of Research at the Start |
近年、食事や生活スタイルの変化により「生活習慣病」の増加が大きな課題となっており、我が国における疾病構造は、この数十年において感染症から生活習慣病へと大きくシフトした。その結果、動脈硬化症をはじめとした炎症性疾患の基盤病態としての脂質代謝異常と炎症応答が注目されている。しかしながら、コレステロールと炎症応答の連携については、詳細な分子メカニズムは明らかにされていない。本課題では、細胞内コレステロールを軸として炎症誘導メカニズムを理解し細胞内コレステロールを標的とした動脈硬化治療や予防につなげる基盤的研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂質は、タンパク質や糖質と並び、生体にとって必須な物質である。脂質は、効率のよいエネルギー源として利用されるのみならず、ホルモンや細胞膜の材料としても利用され、またその代謝異常(脂質異常症)は動脈硬化症・糖尿病・慢性腎臓病などを惹起し、さまざまな病態と密接に関わっていることが明らかにされている。そのため、脂質分子が関わる細胞の生理機能を明らかにすることは、生命の原理を知る上でも、病態のメカニズムを理解する上でも大変重要な課題である。本課題では、疾患の基盤病態となる炎症応答に着目し、病態の進展と密接に関連するマクロファージの細胞内コレステロールが、TLRs-Myd88を介する自然免疫応答経路の調節因子として機能すること、さらにそのメカニズムの解明を目指し基盤的研究を進めてきた。これまでの解析結果から、1)炎症応答の増強には急速な細胞内コレステロールの蓄積が関与していること2)コレステロールの蓄積と細胞質アダプター分子、Myd88のオリゴマー形成の促進が関与していること3)動脈硬化モデルマウスに細胞内コレステロールの排泄を促進する薬剤としてポリロタキサン(PRX)を投与すると、プラークの形成やマクロファージの炎症応答が抑制されることがわかってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、細胞内コレステロールを炎症応答の調節因子と位置付け、その基盤的研究を進めている。これまでの解析結果から、炎症応答と細胞内コレステロールの関係性が明らかになりつつあり、さらに分子間の会合性に関する解析結果からコレステロール-Myd88を介した炎症応答の増強という新たな結果が得られた。現在、Myd88の関与について、免疫沈降法やリコンビナントタンパク質を用いて解析を進めると同時に、局在についても共焦点レーザー顕微鏡や蛍光顕微鏡等を用いて解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析結果から、炎症誘導に伴い細胞内コレステロールが急速に蓄積されることがGC-MS解析等により、明らかとなってきた。また、細胞内小器官におけるコレステロール量の変化も、共焦点レーザー顕微鏡や各オルガネラのGC-MS解析によりわかってきた。さらに、コレステロール排泄薬剤として用いたポリロタキサン(PRX)は、マクロファージを用いた解析から、細胞コレステロールを減少させ、炎症性サイトカインの発現を有意に抑制した。合成siRNAや異なるTLRリガントを用いたシグナル解析の結果から、コレステロールが関与する細胞内シグナル経路として、細胞質アダプター分子Myd88を介することがわかった。さらに、PRXを動脈硬化のモデル動物に投与すると、プラークの抑制ならびにマクロファージの炎症応答が抑制されることが、組織染色ならびにFACS解析により明らかとなった。本年度は、Myd88と細胞内小器官の局在変化ならびにコレステロールの変化を解析することを通して、炎症の慢性化に関わる脂質代謝の変化の一端を解明することを目指す。
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