2016 Fiscal Year Research-status Report
宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解
International Activities Supporting Group
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
15K21745
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
古川 聡 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主幹研究開発員 (20726260)
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Project Period (FY) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙 / 無重力 / ストレス / 放射線 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期宇宙滞在時、無重力の物理ストレスは筋萎縮や骨密度低下を、閉鎖環境の精神的ストレスは体内リズム不調を、放射線被ばく等の環境リスクはDNA変異等をきたす。有人宇宙探査での超長期宇宙滞在に挑戦する時代にあって、これらは今解決すべき課題である。同時にこれら課題への深い理解は、地上の高齢化・ストレス社会における生命維持・恒常性の担保に貢献し、健康長寿社会につながる。 [A01] 宇宙からひも解かれる生命分子基盤の理解を達成目標に、重力はじめ力学的ストレスに対する細胞、神経―筋の細胞間、筋や腱組織のメカノセンシング機構から適応応答、発達制御、長期無重力や加齢による萎縮・破綻に至る仕組みについて、バイオイメージングやトランスクリプトーム、プロテオーム等先端手法を用いて解析を進めている。 [A02] 生命体が個体として有する高次恒常性・適応機構と生命医学への展開として、重力と閉鎖環境に対する循環系、前庭系、精神・自律神経系、睡眠・覚醒、統合的理解を、ヒトを主に研究対象とし、生理・生化学的データ、遺伝子発現、エピゲノム解析、さらにはメンタルストレスに対する新たな客観的評価分析法を開発するなど、基礎医学的解析を中心に実施している。 [A03] 宇宙閉鎖環境によるリスク因子研究とその克服として、宇宙放射線の中でも特に単位面積当たりとして少ないが、高いエネルギーを付与する重粒子放射線、重力変化と宇宙放射線との複合作用・太陽紫外線を含む様々な宇宙放射線、無重力に伴うバイオフィルム形成や遺伝子伝播を含めた微生物間相互作用への影響、について評価・分析し、リスク対策方法の開発を展開している。 H28年度は研究代表者枠派遣3件、若手研究者派遣3件、海外研究者招聘2件を実施した。国際共同研究が始まってきており、今後共同研究での論文発表が見込まれる。また、同時に若手交流促進や人材育成に貢献している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際活動支援班基金開始からまだ2年のため、共同研究による論文成果はまだないものの、外国への研究者派遣や、外国からの研究者招聘により、国際共同研究が始まってきており、今後共同研究での論文発表が見込まれる。 また、若手研究者派遣は、若手研究者交流促進や人材育成に貢献している。 なお、単純割りだと一見遅れ気味に見えるが、公募班研究者やより若手の研究者へも対象を広げ、H29年度はより多くの研究者を派遣予定で、さらに多くの共同研究が期待される。現時点で既にH29年度として1000万円以上がほぼ確定しており、基金を有効活用できる見込みである。 以上の理由により、現状おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
公募班研究者やより若手の研究者へも対象を広げ、H29年度はより多くの研究者を派遣予定で、さらに多くの共同研究が期待される。現時点で既にH29年度として1000万円以上がほぼ確定しており、単純割りだと一見遅れ気味なのを取り戻しつつあり、基金を有効に活用できる見込みである。
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Causes of Carryover |
使用条件を厳格にし過ぎたため、利用者が想定より少なくなってしまった。また、公募班への募集が遅くなったことも原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
公募班研究者やより若手の研究者へも対象を広げ、H29年度はより多くの研究者を派遣予定で、さらに多くの共同研究が期待される。現時点で既にH29年度として1000万円以上がほぼ確定しており、単純割りだと一見遅れ気味なのを取り戻しつつあり、基金を有効に活用できる見込みである。
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Research Products
(5 results)