2020 Fiscal Year Research-status Report
数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解
International Activities Supporting Group
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
16K21739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30322332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貴 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任教授(常勤) (40114516)
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (70176428)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 数理科学 / 情報科学 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内のシグナル伝達は、活性化・不活性化による単純な一次線形反応ではなく、複雑かつ時空間的に動的な高次非線形反応であり、多数の分子からなる巨大な情報伝達ネットワークによって制御されている。シグナル伝達に関する多様かつ膨大な情報を統合して、細胞や人体をシステムとして理解するには、コンピュータ科学や数学的理論解析を活用したアプローチが必要不可欠であるが、この様な学際的研究体制の構築は、我が国では未だ不完全であり、早急に整備する必要がある。国際活動支援班では、この状況を打開すると共に国際連携を推進するため、世界的に評価の高い数理医学・生物学研究機関である米国ヴァンダービルト大 学、英国セントアンドリューズ大学、仏国INRIAボルドー南西研究センターとの4カ国交流を中心に、各国の先進的研究機関との連携体制を構築し、国際共同研究や人材交流を深化させる活動を行った。 本年度当初は海外から外国人研究者を多数招聘し、大阪で国際シンポジウムを開催する予定であったが、COVID19の世界的な流行状況を鑑みて、ZOOMを用いたオンライン会議に変更し、3日間(10/26-28日)に渡る国際会議"Fusion of Mathematics and Biology"を実施した、本領域の班員はもとより、米国、ヨーロッパ(英国、フランス、イタリア)アジア(韓国、インドネシア)からも、生物・医学系の数理解析・情報解析研究を実践している第一線の研究者に参加して頂き、最新の研究成果を共有するとともに、意見交換・交流を行った。また、国際会議"The 15th International Symposium of the Institute Network for Biomedical Sciences(オンライン開催)"に領域の若手研究者を参加させ、国際会議での発表を奨励した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID19のパンデミック状況下であっても、研究の進捗に与える影響を最小化し、国際的学術交流と情報交換を進展させるため、オンラインを活用した国際シンポジウムを実施した。3日間に渡る会期中に、生物学・医科学と数理・情報科学の融合研究に関する62題の講演が行われ、この分野における最新の国際的研究動向について情報共有するとともに、活発な議論と意見交換を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も米国ヴァンダービルト大学、英国セントアンドリューズ大学、仏国INRIAボルドー南西研究センターとの4カ国交流を中心に、各国の先進的研究機関との連携体制を強化し、共同研究および人材交流を深化させて行く。また国際共同研究を実施し、学術面でも成果を得る。
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Causes of Carryover |
COVID19の世界的パンデミックによって研究者の国際的な往来が不可能となり、当初、海外の研究者を多数、国内に招聘して開催する予定であった国際シンポジウムを、オンライン会議として実施せざるを得なかった。このため、海外研究者の招聘旅費・宿泊費や会場設営費の面で、当初予算計画と齟齬が生じた。COVID19の収束状況をみて海外研究者も参加するシンポジウムを開催するとともに、班員や若手研究者を海外研究機関・学会に派遣する。
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Research Products
(27 results)