2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neuroimaging of will-power
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
16H06402
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 美乃 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40467478)
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
藤原 広臨 京都大学, 医学研究科, 講師 (10599608)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
①意欲低下・変調を示す疾患、摂食障害や注意欠損多動性障害の精神神経疾患の意志力にかかる病態について、ドパミン神経とセロトニン神経の変化に着目し、頭部専用PET装置とドパミンD1およびD2受容体、セロトニントランスポーターに特異的に結合するトレーサーを用いて描出するとともに、脳内の神経炎症を描出することで意欲破綻との関係について検討した。また、tDCSを用いた脳賦活法におけるドパミン神経活動の変化と相応するGABA系の変化を調べて意欲変数との関係を調べた。心理学講座との共同研究として、やる気に関わる心理実験(アンダーマイニング)を導入して、健常人においてやる気のメカニズムをドパミン神経の活動変化から明らかにする研究を進めた。領域間の研究として、やる気の破綻に中枢および末梢性の炎症性病態が関係しているか否かについて脳PETデータと末梢血炎症マーカーとの関係から検討した。課題fMRIおよび安静時fMRIを用いて意志力関連の生活習慣と機能的結合の関連について検討し、剣道家は意志力ネットワーク内の安静時―課題下のコントラストが大きいこと、また、マルチタスク傾向が強い人ほど安静時に近い脳機能であることを明らかにした。病的面に関しては、レム睡眠期行動異常症の中で疾患移行予備群は、運動感覚ネットワーク変容を呈すると同時に、扁桃体-前頭葉ネットワークの変容を認め軽微運動機能障害や意志力低下との関連性を明らかにした。 ②脳MRIコネクトーム解析技術の開発:7T-MRI装置を用いた高空間・時間分解能MRIのデータ収集を継続して行い、その高分解能を活かした微小関心領域のネットワーク解析技術を新たに開発した。 ③画像データを用いた機械学習技術の開発:解剖学的標準化を要しない3次元脳画像データを解析するための深層学習手法を新たに確立し、脳主幹動脈閉塞患者の予後予測を従来手法より高精度に行うことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①セロトニントランスポーターのPETプローブ(11C-DASB)とPET装置およびMRI-VBMを用いて健常人および摂食障害患者の計測結果を論文化することができた。注意欠損多動性障害に関してはD1と神経炎症の関係をまとめ論文に投稿することができた。また、tDCSの脳刺激研究に関しては、前年度にドパミン放出が促されることを論文出版できたが、GABA濃度との関係をまとめることができた。現在、この成果は論文作成中である。 ②7T-MRIのデータ収集は順調に進んでおり、また7T-MRIの高空間分解能を活かした微小領域を基点とするネットワーク解析技術を新規開発することに成功するなど、当初の計画通りに進展している。 ③深層学習を用いて3次元MRI画像を解剖学的標準化なしで学習する技術を確立し、脳主幹動脈閉塞患者の予後予測向上を論文化した。 上記を鑑み、計画はおおむね順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はおおむね順調に行われているため、2020年度も基本的には当初の研究計画に基づいて研究を進める。2020年度は最終年度となるために、これまでの分子イメージングと機能イメージングを意志力というキーワードで意志力発現と破綻の画像的解明をまとめる。そのため、3つの研究の柱を設け進めていく。①モチベーションに関連したPET・MRIイメージングに関して、セロトニン放出を可視化できるPETトレーサーを導入することで、ドパミン反応と同様、意志力の変化に相応するセロトニン活動変化を調べる画像化を確立する。また、アンダーマイニングなどの内発的動機づけに着目したPET・MRI研究から、意志力に関係する分子・機能の神経基盤の解明を継続する。また、脳MRIコネクトーム研究を通じた意志力の神経基盤解明を継続して行う。3T-MRIについてはこれまで収集したデータをもとに多面的な解析を進め、7T-MRIでは健常者および気分障害等の患者でのデータ収集を継続して行う。これまで明らかにしてきた健常範囲内での脳MRIコネクトームと意志力関連指標との関連性や、気分障害患者やレム睡眠期行動異常症といった意志力の障害を認める疾患群における両者の関連性について研究を進めていく。②脳MRIコネクトーム解析技術の開発に関して、収集中の7T-MRIに対しても現在の解析システムを適応し、従来にない高精度のコネクトーム解析を実施する。③画像データを用いた機械学習技術の開発に関して、これまで開発した深層学習技術を様々な疾患に応用し、意志力に関連するバイオマーカー探索を継続して行う。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Upregulation of cannabinoid receptor type 2, but not TSPO, in senescence-accelerated neuroinflammation in mice: a positron emission tomography study2019
Author(s)
Yamagishi S, Iga Y, Nakamura M, Takizawa C, Fukumoto D, Kakiuchi T, Nishiyama S, Ohba H, Tsukada H, Sato K, Ouchi Y
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Journal Title
J Neuroinflamm
Volume: 16
Pages: 208-218
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Predicting clinical outcomes of large vessel occlusion before mechanical thrombectomy using machine learning2019
Author(s)
Nishi H, Oishi N, Ishii A, Ono I, Ogura T, Sunohara T, Chihara H, Fukumitsu R, Okawa M, Yamana N, Imamura H, Sadamasa N, Hatano T, Nakahara I, Sakai N, Miyamoto S
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Journal Title
Stroke
Volume: 50
Pages: 2379-2388
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nigrostriatal Dopaminergic Dysfunction And Altered Functional Connectivity In REM Sleep Behaviour Disorder With Mild Motor Impairment.2019
Author(s)
Yamada G, Ueki Y, Oishi N, Oguri T, Fukui A, Nakayama M, Kandori A, Sano Y, Kan H, Arai N, Sakurai K, Wada I, Matsukawa N.
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Journal Title
Front. Neurol
Volume: 10
Pages: 802
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Predicting clinical outcomes of acute ischemic stroke due to large vessel occlusion: The approach to utilize neuroimaging data with deep learning.2019
Author(s)
Hidehisa Nishi, Naoya Oishi, Akira Ishii, Isao Ono, Takenori Ogura, Tadashi Sunohara, Hideo Chihara, Ryu Fukumitsu, Masakazu Okawa, Norikazu Yamana, Hirotoshi Imamura, Nobutake Sadamasa, Taketo Hatano, Ichiro Nakahara, Nobuyuki Sakai,Susumu Miyamoto
Organizer
East Asian Conference on Neurointervention (EACoN)
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