2021 Fiscal Year Annual Research Report
Neural information dynamics in the cerebral cortex and subcortical regions in human decision-making
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
17H06314
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
春野 雅彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (40395124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 客員研究員 (30379599)
田村 弘 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (80304038)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 脳情報 / 計算理論 / 7テスラfMRI / ダイナミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒトの社会的意思決定における大脳皮質と皮質化領域のダイナミックなインタラクションメカニズムを解明することを目的とする。特に、向社会行動は多くの場合、向自己行動より反応時間が速い、という現象の神経メカニズムの特定を目指した。最後通牒ゲームにおいては、不平等な提案を拒否することが社会規範を維持することにつながる向社会行動であり、このような提案を受け入れて少額でも受け取ることが向自己行動に対応する。75人の被験者による最後通牒ゲームのfMRI実験を行った。まず、本実験においても不平等な提案の拒否の方が受入れよりも反応時間が速いことを確認した。次に自己の報酬、自己の報酬が提案者の報酬よりどれだけ多いかを示すguilt, 提案者の報酬が自己の報酬よりどれだけ多いのかを示すenvyの3項を含むドリフト項を持つDrift Diffusion Modelを構築し、各被験者のパラメーターを推定した。このパラメータを用いて、envyに対する脳活動がenvyを行動に反映させない被験者ほど強い脳部位を探索したところ背測前帯状回皮質が特定された。次に、この背測前帯状回皮質をseed領域として、envyが強い大きいときほど強い負の相関を示す領域、すなわち、背測前帯状回皮質から抑制を受けると考えられる領域を探したところ扁桃体が特定された。この扁桃体の領域は不平等な提案を拒否する被験者がenvyに対して活動を示す扁桃体部位と重なりを示す。さらに、背測前帯状回皮質と扁桃体の結合強度と向自己行動(すなわち、不平等な提案の受け入れ)の反応時間が有意な相関を示した。これらの結果は、健常のヒトが向自己行動を選択するとき、自己の報酬最大化のみを行っているのではなく、背後に存在する向社会行動の脳活動を抑制することで実現していることを示唆する。本結果はヒトの社会性の本質を理解する上で大きな貢献をするものと考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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