2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
17H06418
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (40167987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 康治朗 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助教 (90767633)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.細胞増殖シグナルにおけるリサイクリングエンドソーム(RE)応答ゾーンの解析。 Hippo/YAP経路は、細胞増殖に関わるシグナル経路である。前年度の解析から、増殖時のYAPの脱リン酸化にRE 膜細胞質側のホスファチジルセリン(PS)が重要な役割を果たす事を見出 した。そこで本年度では、PSが形成 するRE応答ゾーンにおいてYAPおよび関連分子がどのように制御されるかを解析し、PSを認識するNEDD4 E3リガーゼがLatsのユビキチン化を担うこと、REにおいてYAPを脱リン酸化する機構が存在すること、を見出した。 2.自然免疫応答におけるゴルジ体⇒エンドソーム⇒リソソーム連携ゾーンの解析。 STINGは、ウイルス等の病原体由来のDNAに 応答して炎症を惹起するのに必要な蛋白質である。これまでに、DNA刺 激によりSTINGが小胞体からゴルジ体に移行し、ゴルジ体の一部の領域で活性化された後にREを経由して不活化される事を見出している。本年度では、STING活性化/不活性化における各オルガネラ・ゾーンの役割を解析し、ニトロ化不飽和脂肪酸がSTINGのゴルジ体でのパルミトイル化を抑制すること(PNAS 2018)、BK1のリクルートの場がゴルジ体の特定のゾーンに限局していることを見出した(BBRC 2018)。 3.TLR4 受容体における細胞膜応答ゾーンの解析。これまでに、DPPC という二本の脂肪酸鎖がともに飽和脂肪酸であるリン脂質が TLR4 の活性化を促進し、炎症応答を惹起すること、またマクロファージにDPPCが豊富に存在することを見出している。今年度は、既に他の細胞においてDPPCの合成に関与することがしられているLPCAT1のマクロファージにおけるDPPC産生への関与を検証した。その結果、マクロファージのDPPC産生にはLPCAT1以外の合成酵素の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、細胞増殖シグナルにおけるリサイクリングエンドソーム(RE)応答ゾーンの解析、及び自然免疫応答におけるゴルジ体⇒エンドソーム⇒リソソーム連携ゾーンの解析を行い、オルガネラゾーンが細胞内シグナルに果たす役割を見出すことができた。特に自然免疫応答におけるゾーン解析において、ニトロ化不飽和脂肪酸がSTINGのゴルジ体でのパルミトイル化を抑制すること、及びTBK1のリクルートの場がゴルジ体の特定のゾーンに限局していることを見出し、論文として報告することができた(PNAS 2018、BBRC 2018)。 よって本年度の研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.細胞増殖シグナルにおけるリサイクリングエンドソーム(RE)応答ゾーンの解析。来年度では、PSが形成 するRE応答ゾーンにおいて制御受ける可能性があるホスファターゼに関して解析を行う。 2.自然免疫応答におけるゴルジ体⇒エンドソーム⇒リソソーム連携ゾーンの解析。来年度はSTINGが活性化するトランスゴルジネットワークに特異的に局在する脂質分子の 同定を目指す。 3.TLR4 受容体における細胞膜応答ゾーンの解析。来年度はDPPC合成に関与する酵素をスクリーニングするとともに、DPPCによるTLR4活性化機構の解析をおこなう。 オルガネラ・ゾーン統合解析プロジェクト 「オルガネラ・ゾーン統合解析プロジェクト」において LC-MS/GC-MS を用いた脂質 解析、PIPs /P S プローブなどの膜脂質可視化技術を用いて各班のオルガネラ・ゾーンの解析を行う。
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Research Products
(50 results)
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[Journal Article] Decrease in membrane phospholipids unsaturation correlates with myocardial diastolic dysfunction.2018
Author(s)
Yamamoto, T., Endo, J., Kataoka, M., Matsuhashi, T., Katsumata, Y., Shirakawa, K., Yoshida, N., Isobe, S., Moriyama, H., Goto, S., Yamashita, K., Nakanishi, H., Shimanaka, Y., Kono, N., Shinmura, K., Arai, H., Fukuda, K., and Sano, M.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 13(12)
Pages: e0208396
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Development of a Series of Practical Fluorescent Chemical Tools To Measure pH Values in Living Samples.2018
Author(s)
Takahashi, S., Kagami, Y., Hanaoka, K., Terai, T., Komatsu, T., Ueno, T., Uchiyama, M., Koyama-Honda, I., Mizushima, N., Taguchi, T., Arai, H., Nagano, T., and Urano, Y.
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Journal Title
J Am Chem Soc
Volume: 140(18)
Pages: 5925-5933
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Reelin deficiency leads to aberrant lipid composition in mouse brain.2018
Author(s)
Mizukami, T., Ikeda, K., Shimanaka, Y., Korogi, K., Zhou, C., Takase, H., Tsuiji, H., Kono, N., Kohno, T., Arai, H., Arita, M., and Hattori, M.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 505(1)
Pages: 81-86
DOI
Peer Reviewed
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[Book] 細胞2018
Author(s)
田口友彦 向井康治朗 新井洋由
Total Pages
4
Publisher
ニューサイエンス社
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