2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 賢右 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (90049073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元島 史尋 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (70372464)
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 講師 (40411839)
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Keywords | GroEL / GroES / シャペロン / シャペロニン / ClpB / FtsH / プロテアーゼ / おれたたみ |
Research Abstract |
平成20年度は、シャペロニンGroELの作用機構について、新しい進展があった。流布しているモデルによると、GroESがGroELに結合した瞬間に、それまでGroELに結合していたポリペプチドはGroELの内部の空洞に放出され、直ちにフォールディングが開始する。しかし、私たちは、外界から隔離されているはずの空洞内のポリペプチドが、外側に加えた抗体に結合して、ついには引きずり出されること老発見した。ポリペプチドの一部は外に露出している。それだけではなく、自然の状態でもポリペプチドはある割合で外にもれ出ていることがわかった。もれでたポリペプチドは、spontaneousにフォールディングする。結局、GroESが結合してGroELの中央の穴にフタをしても、ポリペプチドの一部はまだGroELに結合したままであることが推定された。これは、経時的に変化して減少してゆくジスルフィド結合によって直接確認できた。今まで、空洞内の閉じ込めが完全であるという証拠はプロテアーゼKによる消化を受けない、ということだったが、私たちは、これがキモトリプシンによって消化を受けることを見出した。この新たに見出された繋留された状態のポリペブチドの、繋留の解除(解離)が、GroELによる蛋白質のフォールディング援助の活性の律速となっている。解離したポリペプチドは、あるいは空洞内に放出されてそこでは非常にすばやくフォールディングし、あるいは外界に放たれて、そこではゆっくりとspontaneousにフォールディングする。このメカニズムは、今までまったく知られていなかったもので、既存のモデルに基づいたシャペロニンによるフォールディングの物理化学的な研究結果の解釈は、新しいモデルによって違った解釈を与えられることとなる。
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Research Products
(8 results)