2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058004
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
吉田 賢右 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90049073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 講師 (40411839)
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Keywords | GroEL / GroES / シャペロン / シャペロニン / ClpB / FtsH / プロテアーゼ / おれたたみ |
Research Abstract |
空洞内の変性タンパク質はnative構造を形成する直前までGroELと相互作用していることを明らかにした。これまでの考えでは、ATPを加えるとGroESはただちにGroELに結合して、同時にそれまでにGroELに結合した変性タンパク質はGroEL-GroES内の閉じられたチャンバーに閉じ込められる、というものである。そして、閉じ込められた変性タンパク質はそのチャンバーの中でフォウールディングを開始する、というシナリオで、これが教科書にものっている。しかし、私たちの結果は、GroESが結合しても、変性タンパク質はGroELとの相互作用を失わずに、いいかえれば、GroELと一部で結合をしている、ことを示している。そして、時間をかけて、タンパク質は空洞の中に完全に放出されて、そこではじめてフォールディングを完成してネイティブな構造になることができる。この過程で、空洞内の変性タンパク質の多くは空洞内でフォールディングを完了したが、一部は空洞外にも出て行くことが可能であることが判明した。この空洞内への閉じ込め効率の上昇には変性タンパク質と空洞との疎水相互作用が重要な役割をしていることがわかった。さらに、変性タンパク質の一部を共有結合であらかじめ堅くGroELに結合させておいて、これにATP+GroESを加えて、適当なタイミングで共有結合を切断したところ、すばやくフォールディングを完成するものがあった。ATP依存性プロテアーゼFtsHの構造と機能について、ポリペプチドをFtsH内部に引き込むトンネルを想定しているが、そのトンネルの一部であるlid helixおよびβヘアピンに変位を導入したところ、たしかに、ATP依存性プロテアーゼ活性は低下した。一方、新しい結晶がとれたので構造解析を進めている。
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