2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 武 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40028684)
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Keywords | 人工免疫組織 / ストローマ細胞 / 人工リンパ節 / 人工脾臓 / メモリー細胞 / 感染防御 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
我々は特定のストローマ細胞と樹状細胞をコラーゲンスポンジに吸着させてマウス腎臓皮膜下に移植するという簡単な方法によって、自然の二次リンパ節構造と類似した三次元リンパ組織を世界で初めて人工的にしかも高率に再現よく構築することに成功した。この「人工リンパ節」は移植、脱着が容易であり、1ヶ月以上にわたって生体内で安定した構造と強い二次免疫反応誘導能力を有する。平成22年では、(1)このような強い免疫反応誘導能を持つリンパ節様構造を構築することの出来るストローマ細胞およびインデューサー細胞の性状を遺伝子プロファイル等によって解析した。その情報をもとにリンパ節形成に必須の分子を同定した。それらの分子にコラーゲン結合ペプチドを組換えDNA法で結合させた後コラーゲンスポンジに吸着させてリンパ組織の形成を行ったところ、免疫誘導能を有するリンパ組織の構築に成功した。2)この人工リンパ節にもメモリーB細胞、メモリーヘルパーT細胞、濾胞性ヘルパーT細胞が特異的に濃縮された。今後はメモリー細胞の維持、機能に関わる分子を同定を行う予定である。(3)新生児マウスの脾臓ストローマを用いてadultマウス体内に脾臓を構築することに成功した。現在、この人工脾臓の構築に必要なストローマ細胞およびインデューサー細胞の解析を行っている。インデューサーとしてリンフォトキシン産生細胞、RORgt発現細胞が必須であることがわかってきた。(4)ヒト化マウス等を応用して「ヒト型人工リンパ節」の構築を試みてきたがまだ成功していない。今後も改良を続けていく予定である。
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