2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 武 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40028684)
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Keywords | 人工免疫組織 / ストローマ細胞 / 生体適合材料 / 抗体産生 / 腫瘍免疫 / 人工脾臓 / 人工リンパ節 / ヒト化マウス |
Research Abstract |
我々は特定のストローマ細胞と樹状細胞をコラーゲンスポンジに吸着させてマウス腎臓皮膜下に移植するという簡単な方法によって、自然の二次リンパ節構造と類似した3次リンパ組織を世界で初めて人工的にしかも高率に再現よく構築することに成功した。本年度の研究では、ヒトを含めて動物種を越えて人工リンパ節を構築するためにストローマ細胞を用いないで、免疫機能を発揮する人工免疫組織構築の研究を続行して行い一定の成果を得た。(1)人工リンパ節様構造を構築出来るストローマ細胞の性状を遺伝子プロファイル等によって解析した。特に、産生しているケモカイン、サイトカインおよび接着因子さらに転写因子をDNAマイクロアレイ法、蛍光抗体法などにて解析した。その情報をもとに、我々の人工リンパ節の形成に関与していると思われる分子群を同定した。一方、スキャホールドとして従来のコラーゲンスポンジではなく徐放性に優れた生体適合材料となるゲルを見いだした。遺伝子プロファイル等によって同定された分子の幾つもの組み合わせを網羅的にゲルに吸着させて腎被膜下に移植して2-4週間後にリンパ節様構造が形成されるかどうかを丹念に調べた。こうした作業を繰り返して特定の分子の組み合わせを見いだし自然の二次リンパ節構造と類似した構造を持つ大型の人工リンパ組織の構築に成功した。その免疫誘導能については現在、解析中である。重要な因子として、種々のケモカイン、接着因子に加えて、RANKligand,リンフォトキシンなどが同定され、今回の徐放性ゲルを基材として用いる方法においても宿主由来のストローマの関与が示唆された。この方法をヒト化マウスに応用して「ヒト型人工リンパ節」の構築を試みている。現在のところ免疫機能を有するヒト型リンパ組織の構築はまだ成功していない。(2)新生児(生後3-8日)マウスの脾臓の皮膜(カプセル)を腎臓被膜下に移植すると3-4週後に完全な構造の脾臓を構築することが出来ることを見いだした。カブするから脾臓皮膜由来のストローマ細胞(CD45-,gp38+,MadCam+)(単個細胞)を単離し、これを遠心して細胞塊としてコラーゲンシート上に載せてadultマウスの腎臓皮膜下に移入した。3-4週間後にマウス体内に(白脾髄、赤脾髄、血管構造を持つ)脾臓の構造を完全に再構築することに成功した。インデューサーとしてリンフォトキシン産生細胞、RORgt発現細胞が必須であることがわかった。今後、ストローマ細胞での脾臓再構築に関与する発現遺伝子プロファイルを明らかにしていく。
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[Journal Article] Requirement of interaction between mast cells and skin dendritic cells to establish contact hypersensitivity2011
Author(s)
A. Otsuka, M. Kubo, T. Honda, G. Egawa, S. Nakajima, H. Tanizaki, B. Kim, S. Matsuoka, T. Watanabe, S. Nakae, Y. Miyachi and K. Kabashima
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: vol.6, No.9
Pages: e25538
DOI
Peer Reviewed
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