2021 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling of hyper-adaptability to altered musculoskeletal system
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
19H05728
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 康晴 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10302978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩戸 徹郎 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40512869)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 腱付け替え / 仮想手術 / 筋骨格系モデル / 筋シナジー / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
サルの筋再配置をシミュレートする筋骨格系モデルの構築では、 腱再配置に伴う神経系の変化の推定を目的として、上肢の筋骨格モデルを構築した。最初に、筋骨格シミュレーションソフトOpenSim上で、ヒトの上肢モデルをサルの計測データに合わせてスケーリングし、サルの解剖学データを基に骨格や筋肉の付着位置を編集することでモデルを構築した。次に、サルの到達運動のモーションデータを用いて逆運動学解析によって筋骨格モデルの動作を生成した。このモデルを用いて、逆動力学解析、Static Optimizationによって生成した動作を再現する最適な筋活動を推定したところ、筋骨格モデルの41本の筋活動を推定することができた。 グレイボックスモデルによる適応過程の解明では、身体の将来の状態を予測する順モデル、運動目標と現在の状態の差を補償するフィードバック制御器、運動目標を実現する運動指令を生成する逆モデルを個別に学習する運動制御学習モデルを用いて、複数の力場に対してどのように適応していくのかを検証した。その結果、力場への適応過程をシミュレーションでき、各モジュールの役割の違いも見いだすことができ、より詳細なモデルへ繋がる成果が得られた。具体的には、速度依存力場の学習後に、チャンネルを行った場合とチャンネルと力場無しの条件を交互に行った場合の結果で、人の実験と同様、チャンネルの条件では、力場への適応が残っていた。このとき、各モジュールの出力の変化を調べた結果、フィードバック制御器の出力が二つの条件で異なっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算機シミュレーションにより、サルの筋再配置を実現する筋骨格系モデルの構築と、複数の力場への適応が可能かどうかを検証した。その結果、筋シナジーが実際のサルの実験結果との違いや、人の実験結果をよく再現できることなどを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
腱再配置シミュレーションでは、マカクサルの実験とは異なる計算結果となっていた。この原因を探るために、新たに、精度の高いサルの筋骨格系モデルを構築する予定である。 仮想手術による心理物理実験とその計算機モデルの構築については、複数の筋肉の入れ替えなどを行うことにより運動学習が困難であることが分かったため、目標の筋シナジーに対しての学習が可能かどうかを調べる予定である。
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