2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
21116003
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々木 洋 The Institute of Physical and Chemical Research, 胚誘導研究チーム, チームリーダー (10211939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
|
Keywords | マウス初期胚 / Hippoシグナル / 細胞間接触 / Tead / Yap / ライブイメージング / 栄養外胚葉 / 脊索 |
Research Abstract |
哺乳類初期胚の細胞コミュニティーの形成には、細胞間の直接的な接触によるコミュニケーションが関与していると考えられるが、その役割についてはほとんど解析されていない。本研究は、我々のこれまでの研究成果をもとに、細胞間の接触情報を伝えるHippoシグナルとその下流の転写因子TeadとコアクチベーターのYapに注目して研究を進めることにより、初期胚発生における細胞間接触によるコミュニケーションの役割を解明しようとするものである。本年度は、まず、細胞間接触情報によるYapの細胞内局在の制御機構について、培養細胞系を用いて、細胞骨格の関与について検討を行った。その結果、アクチンファイバーがYapの核移行に必須であり、ファイバー形成を促進するとYapの核移行が増大し、阻害するとYapが細胞質に移行することを見出した。また、着床前胚の細胞分化に関しては、細胞極性の有無が重要であるというモデルが提唱されているが、その分子機構は不明である。我々は、最近、細胞分化には、細胞間接触とHippoシグナルによるYapの核移行制御が重要であることを明らかにしたが、本年度は、計画研究03鈴木との共同研究により、細胞極性がYapの核移行制御に果たす役割を検討し、細胞極性の関与を示唆する予備的な結果を得た。さらに、着床後胚での細胞間の接触情報が細胞動態の制御に果たす役割を明らかにすることを目的として、着床後胚の細胞動態を、in vitro培養下でのライブイメージングにより解析する系を作成している。計画研究04藤森の技術指導を受け、Foxa2遺伝子座へHistoneH2B-EGFPをノックインしたマウス胚のライブイメージングを行い、ノード、脊索、内胚葉の細胞の動態を記録できる系を確立した。また、予備的な実験段階ではあるが、脊索形成に異常を示すTead1 ; Tead2の2重変異胚では、脊索細胞の挙動に異常が見られることを見出している。以上の様に、初年度は半年という短い期間ではあるが、当初の計画通り、順調に研究を進めることができた。
|
Research Products
(8 results)