2010 Fiscal Year Annual Research Report
普遍的細胞極性制御装置による哺乳動物初期胚発生制御機構の研究
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
21116004
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 厚 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (00264606)
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Keywords | 細胞極性 / aPKC / PAR / Hippo / Yap / apical |
Research Abstract |
1)班内における佐々木洋博士との共同研究を通じて、aPKC lambdaとzetaのdoubleノックアウトマウスが初期胚発生異常を示し、32細胞において外側の細胞でのCdx2の発現に異常を示すことを明らかとした。このことによって、aPKCが初期胚発生に決定的に重要な役割を果たしていることが確認されたとともに、aPKC lambdaノックアウトマウスで見られていた6.5日までの胚発生は、zeta分子種による機能的相補よるものであることが明らかとなった。 2)一方、初期胚発生における転写因子発現制御に重要な寄与をするHippo系の新しい制御因子として報告されたaPKC結合タンパク質、KIBRAが、そのC末端領域内のaPKC結合領域にみられる偽基質配列を介してaPKCのキナーゼ活性を競合的に阻害することを明らかとした。また、培養上皮細胞(MDCK細胞)を用いた機能解析から、KIBRAノックダウンがapical膜輸送の亢進を誘導し、collagen gel内で3Dのcystを形成させた場合にはapical膜ドメインの過剰な発達が引き起こすことを明らかとした。これらいずれの表現型もaPKC活性の異常亢進を示唆するものであったが、そのことをaPKC阻害剤を用いた実験などを通じて確認した。以上の結果より、KIBRAが細胞内在性のaPKC活性抑制タンパク質であることが明らかとなり、上皮細胞極性形成における極性タンパク質の活性をこれまで報告されていない様式で制御していることが判明した。 3)KIBRAの哺乳動物初期発生における機能解析を目的として、KIBRAジーントラップマウスを入手しその解析に着手した。
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Research Products
(8 results)