2010 Fiscal Year Annual Research Report
準安定状態の動態を分子レベルで可視化する1分子観測技術の開発
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
21121005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜地 格 京都大学, 工学研究科, 教授 (90202259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王子田 彰夫 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10343328)
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Keywords | タンパク質 / 小分子プローブ / ラベル化 / 有機化学 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では、特定のタンパク質を選択的に小分子プローブによりラベル化する新手法/技術を開発し、様々な分光-学的手法でタンパク質の動的構造とその機能解析を可能とするための新しい方法論の確立を目的としている。複数のタンパク質から構成される過渡的な準安定複合体を分光学的手法により特異的に検出するためには、シグナル発信するプローブ分子を特定のタンパクへ部位特定的にラベル化する技術が必須となる。この様なタンパク質ラベル化技術は、各班の研究を実施する上で基盤となる最も重要な技術の一つである。本研究では、1H-NMR,^<19>F-NMR,蛍光、EPRなどの多様な検出モダリティに適用可能な高感度プローブ分子を標的タンパク質に選択的にラベル化する新しい手法の開発を行い、他の解析研究を中心とする研究班との連携により、タンパク質準安定複合体の高精度、高感度での機能解析法を確立する。これにより分子生物学的手法とは異なる相補的な化学的アプローチにより新しい学問領域としての"動的な構造生物学"への貢献を目指している。 本年度は、前年度その有効性を確認したD4配列を用いたReactive tag戦略によって選択的にラベル化した膜結合タンパク質GPCRの機能解析や評価を行った。その結果、Reactive tag戦略によって、B2Rだけでなくm1Rという異なるGPCRのラベル化を確認した。また、アゴニスト刺激によるカルシウム流入効率に変化はなく、活性を保持したまま、生細胞でのラベル化が実現していることが実証された。また、アゴニスト刺激によるラベル化GPCRの細胞内への移行がイメージングでき、またその際のエンドソーム顆粒内のpH変化の可視化にも成功した。このように、我々が独自に開発したReactive tagによる膜蛋白質のラベル化および機能解析に一般性があることが認められた。
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Research Products
(8 results)