2021 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of nondomain-type lncRNAs
Project Area | Biology of Non-domain Biopolymer |
Project/Area Number |
21H05276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 哲郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (30273220)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | lncRNA / RNA結合タンパク質 / 非膜オルガネラ / 天然変性領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
核内の非膜オルガネラであるパラスペックルは、通常核内で別の非膜オルガネラである核スペックルと隣接して存在しているが、ゲノム編集によって作成したNEAT1の欠失変異体 (mini-NEAT1)では、パラスペックルが核スペックル内に完全に取り込まれていることが見出された。そこで、NEAT1 lncRNAの中でパラスペックルと核スペックルとが隣接して独立に存在する状態を保つため機構の解析をRNAとタンパク質の双方からすすめた。まずNEAT1 lncRNAのゲノム編集による変異解析の結果、NEAT1の中には、パラスペックルを核スペックルに取り込まれることを阻害する領域と、その逆に取り込みを促進する領域があることが明らかになった。このことは、NEAT1上に結合する相反する活性を持つタンパク質のバランスによって、パラスペックルと核スペックルの相対的な関係が決定されている可能性が浮上してきた。これまでの解析によって、特に核スペックルへの取り込みを阻害する因子としてSFPQが同定されており、その中の責任領域であるプリオン様ドメイン(PLD)の様々な変異体を作成して、NEAT1変異体RNA上に係留させて核スペックルへの取込活性の変化を検討した結果、PLDのアミノ酸一次配列ではなくプロリンとグルタミンの含量に沿ってこの機能が獲得されていることが明らかなった。さらに、SFPQ以外に同様の活性を有する2つのタンパク質を新たに同定し、その変異解析によって責任ドメインを同定するための解析を開始した。 また一方で、核スペックルへの取り込みを促進する因子を同定するために、上記その機能を担うNEAT1領域の結合タンパク質を質量分析によって同定した結果、この領域に選択的に結合する一群のタンパク質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2つの非膜性オルガネラの独立性獲得機構という新しい問題について、その機構に関わるlncRNA領域とその結合タンパク質の双方からの解析によって、独立を阻害する方向と促進する方向の双方向の活性が備わっていることが新たに発見された。さらに、それぞれの活性を担うと考えられる候補タンパク質も得られており、この機構理解に向けて予想以上の知見を得ることができたと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかにされたパラスペックルの独立性を調整する因子の機能解析を詳細に進めることによって、非膜性オルガネラの独立性獲得機構という新しい問題についての理解を進めたいと考えている。さらに、独立性を担うパラスペックル表面の物性を生物物理学的に解析すること、また独立性が損なわれた結果生じる異常の検出とその細胞機能への影響などを明らかにする方向への研究を試行し、非膜性オルガネラの独立性という一般的な問題の基盤知見を獲得することを目指す。
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[Journal Article] A histone modifier, ASXL1, interacts with NONO and is involved in paraspeckle formation in hematopoietic cells2021
Author(s)
Keita Yamamoto, Susumu Goyama, Shuhei Asada, Takeshi Fujino, Taishi Yonezawa, Naru Sato, Reina Takeda, Akiho Tsuchiya, Tomofusa Fukuyama, Yosuke Tanaka, Akihiko Yokoyama, Hikaru Toya, Ayana Kon, Yasuhito Nannya, Rena Onoguchi-Mizutani, Shinichi Nakagawa, Tetsuro Hirose, Seishi Ogawa, Nobuyoshi Akimitsu, Toshio Kitamura
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 36
Pages: 109576-109576
DOI
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