2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
22123006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桝 正幸 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20243032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝 和子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
塩見 健輔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00311598)
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Keywords | 脳・神経 / 遺伝子 / 発生・分化 / 糖鎖 |
Research Abstract |
発生期に分化した神経細胞は標的細胞へ軸索を投射し神経回路網を形成する。この時、神経軸索は誘引・反発因子の作用により特異的な標的へ誘導される。6層から成る大脳皮質は、各層のニューロンが異なる入出力を持ち、皮質間でも機能的結合が存在するため、複雑なネットワークを作る。これまでの研究で、大脳皮質線維の形成に関わる分子が複数報告されているが、領野、層、投射先の違いによって軸索ガイダンスの制御機構が異なるのかは未解明である。そこで、本研究では、軸索ガイダンスからシナプス形成を含む神経回路構築過程をシグナル分子、受容体、細胞外マトリックス制御などの観点から研究し、高次脳機能の基盤となる大脳皮質の多様性獲得の分子機構を解明することを目的とする。我々は、特に軸索ガイダンス分子の活性を制御するヘパラン硫酸の微細構造を変化させるスルファターゼSulf1/Sulf2に注目し、大脳皮質ニューロンの軸索ガイダンスにおける役割を検討している。Sulf1/Sulf2ダブルノックアウトマウスでは、皮質脊髄路に走行異常が観察され、これまでの解析から軸索ガイダンス蛋白の局在が変化していることが分かった。今年度は、プロテオーム解析により、発現量が変化する蛋白を網羅的に同定するとともに、ヘパラン硫酸の特異構造を認識する抗体を用いて、Sulf1/Sulf2ダブルノックアウトマウスで硫酸化パターンが変化したヘパラン硫酸が分布する部位を可視化することに成功した。これにより、Sulf1/Sulf2を介したヘパラン硫酸の修飾が大脳皮質ニューロンの軸索誘導に重要であること、ヘパラン硫酸の微細構造の変化が神経回路形成の多様性獲得において役割を担うことを明らかにすることができた。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Autotaxin is required for the cranial neural tube closure and establishment of the midbrain-hindbrain boundary during mouse development.2011
Author(s)
Koike, S., Yutoh, Y., Keino-Masu, K., Noji, S., Masu, M., Ohuchi, H.
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Journal Title
Dev.Dyn.
Volume: 240
Pages: 413-421
Peer Reviewed
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