2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
22123006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桝 正幸 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20243032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 健輔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00311598)
桝 和子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50344883)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘパラン硫酸 / 糖鎖 / 神経軸索 / 皮質脊髄路 / 神経回路 / スルファターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
神経軸索は発生期に誘引・反発分子の作用により特異的な標的へ誘導される。本研究では、シグナル分子、受容体、細胞外マトリックスなどの観点から神経回路構築を研究し、大脳皮質の多様性獲得の分子機構を解明することを目的とした。 ヘパラン硫酸は、プロテオグリカンに共有結合した直鎖状の糖鎖であり、多種類のシグナル分子と相互作用し、細胞の増殖、分化、移動、軸索ガイダンス、シナプス形成などを制御する。我々は、ヘパラン硫酸の6位の硫酸基を選択的に脱硫酸化し細胞間シグナル伝達を調節するスルファターゼSulf1/Sulf2に注目し、軸索ガイダンスにおけるヘパラン硫酸糖鎖修飾の役割を調べた。その結果、Sulf1/Sulf2ダブルノックアウトマウスで軸索ガイダンス蛋白Slitの分布異常により軸索走行異常が生じる新たな仕組みを見出した。これまで内在性のSlit蛋白を検出するためにSlit受容体であるRobo2の細胞外領域と免疫グロブリンのFcをつないだ組換え蛋白を用いてきたが、本年度はSulf1/Sulf2/Slit2のトリプルノックアウトマウスを作成し、Sulf1/Sulf2ダブルノックアウトマウスで観察されたRobo2-Fcの異常シグナルがほぼ消失することを明らかにし、Sulf1/Sulf2ダブルノックアウトマウスで蓄積していた異常蛋白がSlit2由来であることを証明することができた。さらに、交雑系統を用いることにより新生児致死を回避し成獣脳の構造を詳しく調べることが可能となった。本研究から、軸索ガイダンス分子の活性(分布や量の調節を含む)を精妙に制御することが神経回路形成に重要であり、Sulf1/Sulf2による糖鎖修飾がそのために重要な役割を担っていることが分かった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)