2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
22126012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細田 公則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40271598)
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Keywords | レプチン / 脂肪細胞 / 脂肪萎縮症 / iPS細胞 / 細胞治療 / ミトコンドリア遺伝子変異 |
Research Abstract |
摂食抑制や脂肪蓄積抑制などのエネルギー代謝調節で、脂肪細胞由来レプチンは主要分子の一つである。本研究は、レプチンを中心にエネルギー代謝調節を研究した。 (レプチン抵抗性)高脂肪食肥満ラットでレプチン・アミリン共投与糖脂質代謝改善作用が観察された。単独投与で認められないインスリン感受性亢進、肝臓・骨格筋中性脂肪含量低下、骨格筋α2AMPK活性化が認められた。(レプチン作用)レプチン作用欠損脂肪萎縮症患者の食欲異常と摂食に関わる脳神経活動と、レプチン補充治療を検討し、脂肪萎縮症で食後食欲抑制と飽食感減弱、及びfMRIで扁桃体や線条体の神経活動亢進が観察されたが、レプチン治療で異常が改善、レプチンが扁桃体や線条体への作用が明らかになった。(レプチンの膵内分泌系への作用)Gq共役中長鎖脂肪酸受容体GPR40やGs共役脂質Oleoylethanolamide (OEA)受容体GPR119が糖応答性インスリン分泌促進に関わる可能性、及びインスリン分泌改善薬の可能性が注目されるが、レプチン受容体欠損遺伝性肥満Koletzkyラットラ氏島でGPR40と同様にGPR119遺伝子発現低下を観察し、GPR119がヒトでβ細胞のみならずα細胞で発現を明らかにした。(レプチン臨床応用)医師主導治験で脂肪萎縮症へのレプチンの治療薬薬事承認を得た。(脂肪萎縮症ヒトiPS細胞由来脂肪細胞細胞治療)ヒトiPS細胞由来脂肪細胞lipolysisや、インスリンによるAktリン酸化を認め、脂肪細胞としての機能を示した。ヒトiPS細胞由来脂肪細胞をヌードマウスに移植、生着と脂肪細胞分化遺伝子発現を観察した。(ミトコンドリア遺伝子変異患者iPS細胞)エネルギー代謝関与のミトコンドリア遺伝子変異2例でiPS細胞樹立、遺伝子変異比率感度以下低下を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(レプチン抵抗性)ヒト肥満のモデルである高脂肪食肥満ラットに対するレプチンとアミリンの共投与の糖脂質代謝改善作用と分子機構の解明を行った(Am J Physiol Endocrinol Metab., 2012)。(レプチン作用)従来レプチンの主な作用は視床下部を介すると考えられてきたが、本研究によりレプチンが線条体や扁桃体に作用する事が明らかになった(J Clin Endocrinol Metab. 2012)。レプチンなど摂食調節系に対する脳内報酬系の影響が注目されているが、本研究は線条体や扁桃体は報酬系の構成成分であり、レプチンの新規の分野を切り開くものである。(レプチンの膵内分泌系への作用)ヒトにおけるGPR119遺伝子発現分布を解明し、α細胞での発現を明らかにした(Metabolism, 2012)。(レプチンの臨床応用)研究代表者は京都大学探索医療センターレプチン脂肪細胞プロジェクト代表として世界で初のレプチンの治療薬としての薬事承認を得た。(脂肪萎縮症でのヒトiPS細胞由来脂肪細胞の細胞治療)ヒトiPS細胞由来脂肪細胞が脂肪細胞として機能を明らかにし、世界で初めてヒトiPS細胞由来脂肪細胞のヌードマウスへの移植・生着を観察した。 (ミトコンドリア遺伝子変異患者iPS細胞)iPS細胞化によるミトコンドリア遺伝子変異比率の感度以下への低下の報告(Diabetologia 2012)は世界で初であり、今後のミトコンドリア遺伝子変異の治療法開発につながる発見である。
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Strategy for Future Research Activity |
(レプチン抵抗性)GLP-1作動薬は摂食抑制作用を示し、その一部が中枢を介する事が指摘されているが、そのレプチン抵抗性改善作用可能性を高脂肪食肥満ラットで検討する。(レプチン作用)GLP-1作動薬のヒト肥満者への投与の検討や、レプチン抵抗性を伴う肥満者において、fMRIの検討を行い、レプチン作用の解明を推進する。(レプチンの膵内分泌系への作用)レプチンによるGPR40とGPR119遺伝子発現調節をさらに、研究代表者らの開発したレプチン遺伝子欠損肥満ラットを用いて解明し、レプチン系によるGPR40とGPR119への遺伝子発現調節作用を解明し、レプチンの膵内分泌系への作用の解明をさらに進める。新規にレプチン遺伝子欠損ラットや、レプチン作用が関与する脂質受容体の遺伝子欠損ラットを作製しており、これらを用いてレプチンの膵内分泌系への作用を解明する。(レプチンの臨床応用)脂肪萎縮症以外の糖尿病や肥満症などの代謝性疾患に対するトランスレーショナルリサーチをさらに展開する。レプチンの薬事承認とともに、さらにレプチンの長期的な有効性と安全性の臨床研究を推進し、fMRIを含めた臨床研究をさらに進める。(ミトコンドリア遺伝子変異患者iPS細胞)iPS細胞化によりミトコンドリア遺伝子変異比率が感度以下した細胞から、膵β細胞、神経細胞、心筋細胞などミトコンドリア遺伝子変異で病態を示す細胞への分化誘導を行い、今後のミトコンドリア遺伝子変異の治療法開発の基礎的検討を行う。
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[Patent(Industrial Property Rights)] Mitochondrial Disease-Specific Induced Pluripotent Stem Cells, Method of Producing Same and Use Thereof2011
Inventor(s)
中尾一和, 藤倉純二, 細田公則, 曽根正勝, 中尾一泰
Industrial Property Rights Holder
中尾一和, 藤倉純二, 細田公則, 曽根正勝, 中尾一泰
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
No.61/503,283
Filing Date
2011-06-30
Overseas