2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞のキラリティによる左右非対称な組織形態形成のロジック
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
22127004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松野 健治 東京理科大学, 基礎工学, 部教授 (60318227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 裕之 千葉大学, 理学研究科, 特任准教授 (00398819)
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Keywords | 左右非対称性形 / 平面内細胞極性 / 上皮細胞 / ショウジョウバエ / ミオシンI / 生体計測 / コンピュータ・シミュレーション / バイオメカニクス |
Research Abstract |
ショウジョウバエ消化管の左右非対称性が形成される過程で、個々の細胞はキラルな形状[planar cell chirality (PCC)]をとる。研究代表者のコンピュータ・シミュレーションの結果は、ショウジョウバエ胚の消化管の左ネジ捻転は、PCCによって起こりうることを示している。本研究では、PCCが形成される機構や、研究代表者がこれまでに同定してきたショウジョウバエ消化管の左右非対称性形成に必須な遺伝子が、PCCの形成にどのように関与しているのかを明らかにすることを目的とする。 1、PCCが形成される細胞レベルの仕組みを理解する PCCが形成される前段階の消化管内腔の細胞形態をバイオイメージングで実測するため、細胞膜移行型のTomatoなどの蛍光タンパク質を後腸上皮で発現させ、2光子レーザー顕微鏡でタイムラプス撮影するシステムを構築した。消化管の左ネジ捻転の過程では、細胞の再編成が起こっていることが明らかになった。これらのデータをもとに、コンピュータ・シミュレーションを改善していく。 2、PCCシミュレーションへの力学パラメーターの導入 PCCによって起こる消化管の左ネジ捻転のコンピュータ・シミュレーションに「力」にパラメーターを導入するために、捻転のトルクの測定を試みた。磁気ビーズをショウジョウバエ消化管に顕微注入し、磁気ピンセットで磁力を加えることで、捻転の回転方向を人為的に操作することに成功した。また、このとき発生した力を計測するシステムを構築した。
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