2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Genomic dynamics underlying the plastic hermaphroditism in plants: the basis of exploratory reproductive adaptations. |
Project/Area Number |
22H05181
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (60527026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光彦 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 研究員 (30783013)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Keywords | ゲノム / 非モデル生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
被子植物の遺伝的多様性を維持する生殖システムは、両性花を起点として多彩な進化を遂げており、本領域でも扱う性決定や自家不和合性などの他殖性機構を独立して種ごとに成立させるだけでなく、そのシステム間における自由な往来を可能としている。本計画研究班では、両性花の活用を巡る幅広い植物群全体をカバーする横断的ゲノム解読によって、植物の進化全体を俯瞰する視点からゲノム・エピゲノム動態変化を検出する。各生殖システムの成立・破壊と連動するゲノム・遺伝子の進化パターンを数理的に定義するとともに、頻繁な生殖システムの移行に関わる潜在的な共通性を検証する。 HiFiロングリード技術を利用して、染色体の端から端まで(テロメア・ツー・テロメア;T2T)を一続きで配列決定するT2T全ゲノム解読を、マツタケと異質四倍体であるタイヌビエで達成した。巨大なゲノムを持つ裸子植物(カラマツ、ヒノキ、スギ、およびコウヨウザン)ではゲノム解読結果を報告した。また、ザゼンソウの生存戦略に関する遺伝的多様性を明らかにした。さらに、ソバのゲノム解読から異形化不和合性に関する遺伝子を特定し、カタバミのゲノム解析からヒートアイランドへの急速な適応進化を初めて実証した。領域内共同研究として、赤木班、藤井班、伊藤班、榊原班、奥田班、清水班、井澤班と植物のゲノム解析を進めた。赤木班とはカキのゲノム解読を通して、果実や性別の進化を解明した。また、サクラやカタバミを題材としたアウトリーチ活動にも取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
両性花の活用を巡る幅広い植物群全体をカバーする横断的ゲノム解読を実施し、着実に成果を挙げている。ゲノム解読が及んでいない被子植物の基部群および複数の他殖性システムを有している目などの系統群を中心にしてPacBioHi-Fiロングリード技術やシングルセルゲノミクスの解析手法による高効率化を達成し、 テロメア・ツー・テロメアレベルでのde novoゲノム解読を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム解読が及んでいない被子植物の基部群および複数の他殖性システムを有している目などの系統群を中心にしてPacBioHi-Fiロングリード技術やシングルセルゲノミクスの解析手法による高効率化を達成し、 テロメア・ツー・テロメアレベルでのde novoゲノム解読を目指す。
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