2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
23102002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
半田 宏 東京工業大学, ソリューション研究機構, 教授 (80107432)
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Keywords | 天然物リガンド / 高分散性磁性ビーズ / 固定化 / アフィニティ精製 / 標的タンパク質 / 質量分析 / 作用メカニズム |
Research Abstract |
これまでに当研究グループでは、ポリスチレンとポリグリシジルメタクリレートからなる高分散性ラテックスビーズ、さらにフェライトと呼ばれる磁性酸化鉄のナノ粒子をコアに持つ高分散性ポリマー被覆型磁性ビーズをそれぞれ独自に開発し、薬剤などの生理活性を有する低分子化合物の標的タンパク質を単離・同定する技術を構築してきた。本研究課題では、これら半田ビーズと呼ばれるアフィニティビーズを活用した薬剤標的タンパク質の単離・同定技術を多様な生物活性と複雑な構造を有する天然物リガンドに適用し、天然物リガンドが示す生物活性の作用メカニズムおよび天然物リガンド標的タンパク質の関与する生体反応の制御機構やシグナルネットワークの解明を目指す。具体的には、様々な天然物リガンドを化学的に固定化した半田ビーズを用いたアフィニティ精製によって、天然物リガンドと特異的に結合するタンパク質(群)を各種タンパク質ライブラリーから網羅的に単離し、質量分析で同定する。これら結合タンパク質(群)の中から、天然物リガンドの特異的な生物活性に関わる標的タンパク質を同定する。平成23年度では、これまでにFK506やシクロスポリンなどの天然物リガンドを固定化した半田ビーズによるアフィニティ精製を検討してきた実績を基に、本研究領域の班員などが有する天然物リガンドの半田ビーズへの固定化を検討した。天然物リガンドとしては、抗炎症作用を有するエリスロマイシンやその類縁体、三環性アルカロイド、植物由来ペプチドなどを用いて、様々な天然物リガンドに適用できるような効率的な固定化条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで用いてきた半田ビーズに対する薬剤などの固定化条件を天然物リガンドに適用し、天然物リガンド固定化半田ビーズの作製を検討した。平成23年度では、本研究領域の班員などと連携を取り、特異な生物活性を有するいくつかの天然物リガンドを用いて半田ビーズへの固定化を検討し、天然物リガンド固定化半田ビーズの作製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
半田ビーズに対する低分子化合物の固定化条件を再検討し、精査することで、多様な官能基を有する天然物リガンドを効率的かつ確実に半田ビーズ上に固定化するための汎用的な手法の確立を目指す。天然物リガンド固定化半田ビーズを利用するアフィニティ精製により、細胞粗抽出液などの適切に調整されたタンパク質ライブラリーから天然物リガンドの結合タンパク質(群)を単離・同定する。
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Research Products
(6 results)