2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
25117003
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小泉 修一 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10280752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 啓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (00311192)
粟崎 健 杏林大学, 医学部, 教授 (60359669)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | グリア細胞 / アストロサイト / グリア伝達 / ショウジョウバエ / 虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
グリア細胞がアセンブリとして機能する動作原理、さらにその生理及び病態生理学的な意義の解明を目指し、昨年度は1.インターフェースグリアにおけるグリア伝達物質放出の細胞種及び時間依存的にON/OFF出来る遺伝子改変動物(Tg) の作出、2.インターフェースグリアのカルシウム興奮性を可視化するプローブの開発及びTg作出、さらに3.グリアアセンブリを制御する分子をハイスループットで探索・同定するショウジョウバエ実験系を構築のため、グリアサブタイプ特異的なエンハンサー配列を得た。本年度は、これらの最適化を行うとともに、以下の新知見を得た。 1及び2、マウス脳卒中モデル(中大脳動脈閉塞、MCAOモデル)を用いた解析により、非侵襲的なMCAO負荷により、アストロサイトが活性化していること、本アストロサイトの機能変化依存的に、その後の侵襲的虚血に対する抵抗性、つまり虚血耐性が誘導されることを明らかとした。インターフェースグリアの制御の可視化技術により、このとき、アストロサイトがアセンブリとして機能を亢進させていること、それがP2X7受容体発現亢進に依存していること、さらにアストロサイトの本P2受容体依存的虚血耐性が誘導されることを明らかとした。 3,前年度の研究から得られた、エンハンサー挿入発現誘導系統を利用して各グリアサブタイプを特異的にラベルし、これらの細胞をMACS磁気細胞分離法により効率的に回収するシステムの構築を行った。さらに、同じく、グリア細胞活動の解析を目的として、生きたままのショウジョウバエ脳・中枢神経系、ならびに摘出脳においてカルシウムイメージングを行う実験系の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリアアセンブリの機能を詳細に解析できるグリア伝達制御動物、さらにインターフェースグリアの可視化を可能としたプローブ及びそのノックイン動物の利用により、グリア伝達の動作原理の一旦、さらにその生理的意義の1つが明らかとなった。たとえば、グリア伝達の亢進により、虚血耐性現象が獲得できることを明らかとすることが出来た。 グリアサブタイプ特異的なMACS磁気細胞分離法については、純度が約90%前後となる回収法が確立できた。また、グリアサブタイプにおける、カルシウムイメージングについては、2種類のグリアサブタイプにおいて、カルシウム変動を観察することができたが、残りの3種類については、見ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針は以下である。 1,虚血耐性モデルに加え、現在構築中の物理的脳損傷モデル(TBI)、アレキサンダーモデルを完成させ、新規グリアアセンブリ可視化プローブを用いて、病態時グリア細胞の機能変化を精査する。2,病態時グリア細胞機能変化の分子メカニズムと、疾患の分子病態との関連性に関する知見を得る。3、抽出・同定された遺伝子については、tetO系としてノックインし、昨年までに構築した細胞種依存的な遺伝子欠損(tTS)及び遺伝子過剰発現(tTA)動物との交配により、ON/OFF/OE(過剰発現)させて、その役割を明らかとする。4,また、ショウジョウバエ系におけるMACS磁気細胞分離法を用いて精製した各グリアサブタイプより、RNAを精製し、RNAseq解析を行い、各グリアサブタイプで特異的に発現する遺伝子を同定する。特定のグリアサブタイプまたは神経細胞集団における活動の人為的マニピュレーションが及ばすグリアサブタイプに対する細胞非自律的な影響をカルシウムイメージングにより観察するシステムを構築する。5,これら同定された分子に関する情報は、ほ乳類系にもフィードバックさせ、その機能及びグリアアセンブリ動作との関連性を明らかとする。
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Research Products
(49 results)
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[Journal Article] TRPV4 regulates the integrity of the blood-cerebrospinal fluid barrier and modulates transepithelial protein transport.2015
Author(s)
Narita, K., Sasamoto, S., Koizumi, S. Okazaki, S., Nakamura, H., Inoue, T. and Takeda, S.
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Journal Title
FASEB J
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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[Journal Article] Expression of Astrocyte-Related Receptors in Cortical Dysplasia With Intractable Epilepsy.2014
Author(s)
Sayuri Sukigara, Hongmei Dai, Shin Nabatame, Taisuke Otsuki, Sae Hanai, Ryoko Honda, Takashi Saito, Eiji Nakagawa, Takanobu Kaido, Noriko Sato, Yuu Kaneko, Akiko Takahashi, Kenji Sugai, Yuko Saito, Masayuki Sasaki, Yu-ichi Goto, Schuichi Koizumi,Masayuki Itoh
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Journal Title
J Neuropathol Exp Neurol
Volume: 73(8)
Pages: 798-806
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Making Drosophila lineage-restricted drivers via patterned recombination in neuroblasts.2014
Author(s)
Awasaki T, Kao CF, Lee YJ, Yang CP, Huang Y, Pfeiffer BD, Luan H, Jing X, Huang YF, He Y, Schroeder MD, Kuzin A, Brody T, Zugates CT, Odenwald WF, Lee T.
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Journal Title
Nature Neuroscience
Volume: 17
Pages: 631-637
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] ミクログリアにおける電位依存性プロトンチャネルの機能2014
Author(s)
Takafumi Kawai, Yoshifumi Okochi, Nana Miyawaki,Yoshio Imura, Yuko Furukawa, , Kenji Sakimura, Schuichi Koizumi, Yasushi Okamura
Organizer
第37回日本神経科学大会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
Year and Date
2014-09-12
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[Presentation] 慢性疼痛とブシ2014
Author(s)
小泉修一
Organizer
臨床研修指導医のための漢方医学セミナー
Place of Presentation
ホテルレオパレス仙台(宮城県仙台市)
Year and Date
2014-05-24
Invited
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