2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spatiotemporal control of reactive oxygen production and regulation of cellular functions
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
26111009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住本 英樹 九州大学, 医学研究院, 教授 (30179303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 博史 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50275088)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 活性酸素 / シグナル伝達 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
刺激応答型ROS生成酵素NADPHオキシダーゼ(Nox)の時空間的制御機構を解明するために、高解像度の共焦点レーザー顕微鏡および生化学的細胞分画法などを用いて、種々の培養細胞においてNoxの細胞内局在を解明するための優れた方法を本研究により確立してきた。これらの方法を用いて、NoxファミリーオキシダーゼNox1~Nox5の細胞膜への輸送に関して、以下のことを明らかにした。(1)膜貫通型糖タンパク質であるNox2の細胞膜への移行は、低分子量Gタンパク質Sar1およびt-SNAREタンパク質Syntaxin5(Stx5)に依存した古典的経路、すなわち小胞体(ER)からCOPII小胞としてゴルジ体に輸送され最終的に細胞膜に至るという経路で輸送される。この輸送が行われるためには、Nox2のN-グリコシル化およびNox結合膜タンパク質p22phoxとの結合が必要である。(2)Nox3は、基本的にNox2と同様に古典的経路により細胞膜に輸送される。(3)Nox5は、Noxの中で唯一糖鎖を持たない膜貫通型タンパク質であるが、その細胞膜への輸送は、主としてSar1にもStx5にも依存しない新規な経路により行われる。(4)Nox1は、Sar1/Stx5依存性経路とSar1/Stx5非依存性経路の両者により細胞膜に輸送される。Sar1/Stx5非依存性経路においては、高マンノース型糖鎖をもつNox1が細胞膜に達することから、ゴルジ体を経ずに輸送されると考えられる。 Noxの哺乳類細胞における新規な機能に関しては、Noxが生成するROSが他のタンパク質のジスルフィド結合形成に関与することを示すとともに、その詳細な分子メカニズムを明らかにした。また、酵母のNO合成制御機構については、メタカスパーゼMca1がNO合成を亢進して細胞死を誘導する分子メカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NoxファミリーオキシダーゼNox1~Nox5の細胞膜への輸送に関して、Nox2はSar1/Stx5依存性経路により細胞膜への移行すること、Nox5はSar1/Stx5非依存性経路により細胞膜への移行すること、Nox1は、Sar1/Stx5依存性経路とSar1/Stx5非依存性経路の両者により細胞膜に輸送されること、Sar1/Stx5非依存性経路においては、高マンノース型糖鎖をもつNox1が細胞膜に達することから、ゴルジ体を経ずに輸送されると考えられること等を示し論文発表をした(Kiyohara et al., 印刷中)。また、Nox4の細胞膜への輸送の調節についても新たな知見を見出しており、論文執筆中である。さらに、Nox3のSar1/Stx5依存性経路の輸送機構を示すとともに、Nox3の品質管理に関する新しい機構を見出している(論文準備中)。このように、着実に新たな知見を加えており、研究は順調に進展しているといえよう。 また、Noxが生成するROSが他のタンパク質のジスルフィド結合形成に関与することを示すとともに、その詳細な分子メカニズムを明らかにしたが、これについても論文執筆中であり、研究は順調に進展していると考えている。 さらに、酵母のNO合成制御機構(ROSによりTah18依存的なNO合成が細胞死を誘導することやメタカスパーゼMca1がNO合成を亢進して細胞死を誘導することを示していた)および硫黄同化制御機構(チオ硫酸硫黄転移酵素Rdl1とRdl2がチオ硫酸イオンを亜硫酸イオンと硫化物イオンへ変換することを示していた)についても、その詳細な分子メカニズムの解明が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における(1)刺激応答型ROS生成酵素Noxの時空間的制御機構、(2)Nox活性化とカップルした哺乳類細胞の機能調節、(3)酵母のNO合成制御機構、(4)酵母の硫黄同化制御機構、すべてにおいて研究は順調に進展しており、現時点では研究計画の変更等は考えていない。
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[Journal Article] Interaction between cardiac myosin-binding protein C and formin Fhod32018
Author(s)
Matsuyama, S., Kage, Y., Fujimoto, N., Ushijima, T., Tsuruda, T., Kitamura, K., Shiose, S., Asada, Y., Sumimoto, H., and Takeya, R.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 115
Pages: E4386-E4395
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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