1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01041031
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三浦 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 純徳 高雄医学院, 牙医学系, 副教授
劉 侃 上海第二医科大学, 口腔医学院, 教授
傅 民魁 北京医科大学, 口腔医学院, 教授
寺田 員人 新潟大学, 歯学部, 助手 (00139312)
石田 哲也 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80211043)
府川 俊彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60181244)
黒木 健広 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90153402)
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10014200)
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
一條 尚 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013807)
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Keywords | 中国大陸 / 歯科人類学 / モンゴロイド / 顎顔面頭蓋形態 / 頭示数 / 歯冠近遠心幅径 / 歯列弓形状 / 歯の形質 |
Research Abstract |
平成元年度の中国における漢族(北京、上海、広州)および蒙族の調査に引き続き、長春の満族を対象に「中国大陸におけるモンゴロイドの歯科人類学的研究」を行った。ついで、平成元年度および2年度の調査により得られた口腔内診査記録、X線写真、歯列模型、人類学的計測値および顔面・口腔内写真等をもとにして、昭和57年度および62年度科学研究費補助金による「古代ペル-人の歯科人類学的研究」および「中米インデイオの歯科人類学的研究」に準じた方法で中国人の歯・顎顔面頭蓋形態について検討を行った。その結果、以下の所見を得た。 I.顎顔面頭蓋形態 1)5地域ともに頭示数が80以上で、日本人同様短頭型を呈していた。 2)広州市住民は他地域住民に比し、顔面高が小さく、上下顎前突傾向が認められた。 3)呼和浩特市住民(蒙族)は他地域住民に比し、頭蓋底角が大きかった。 4)長春市住民(満族)は他地域住民に比し、顔面高が大きかった。 5)中国人は日本人に比し、顔面角が大きく、顎角、下顎下緑平面角およびYーaxisが小さかった。 II.咬合様式 1)第一大臼歯の近遠心的咬合関係は、アングルI級が75%(広州)から92%(北京)と高い出現頻度を呈していた。 2)前歯部被蓋関係は、約9割が普通対咬であった。 3)下顎第三大臼歯の萌出状態において正常萌出頻度は、長春市住民が67.6%と最も高く、広州市住民が51.6%と最も低かった。 4)歯冠近遠心幅径では、成人男性の前歯部において地域差が認められ、北京市住民が最も大きく、広州市住民が最も小さかった。また、中国人は日本人に比し、歯冠近遠心幅径が概して小さかった。 5)歯列弓の形状は、5地域ともに日本人同様幅広で類似していた。 6)歯の形質の出現頻度に地域差はほとんどなく、シャベル型歯が多く、カラベリ結節が少なかった。
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