1991 Fiscal Year Annual Research Report
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01044152
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Research Institution | International Research Center for Japansese |
Principal Investigator |
上垣外 憲一 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (50120332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ENGELBERT Jo ケルン大学(ドイツ), 教授
厳 安生 北京外語学院(中国), 助教授
韋 旭昇 北京大学(中国), 教授
汪 尚榮 社会科学院(中国), 教授
姜 東よぷ 江原大学校(韓国), 助教授
崔 博光 成均館大学校(韓国), 副教授
金 泰俊 東国大学校(韓国), 教授
古田島 洋介 明星大学, 人文学部, 講師 (60211900)
吉田 公平 広島大学, 文学部, 教授 (70036979)
田中 優子 法政大学, 第一教養部, 教授 (40139390)
早川 聞多 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10208605)
源 了圓 国際基督教大学, 教授
羽賀 徹 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (10012303)
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Keywords | 燕行使 / 洪大容 / 朴趾源 / 漢詩文 / 朝鮮通信使 / 申維翰 / 水足博泉 / ナショナリズム |
Research Abstract |
海外調査として、平成3年12月に、朝鮮燕行使関係の史蹟調査を行なった。洪大容「燕行日記」、朴趾源「熱河日記」に記載された燕行使の経路にあたる都市、丹東及び瀋陽と、燕行使の道中第一の名所とされ、数多くの紀行文の残されている〓〓閭山の実地踏査を行なった。 この調査に引き続いて、調査報告及び研究発表を目的とする共同研究会を12月13日と14日の両日、国際日本文化研究センタ-で開催した。日本を中心とする18世紀の文化交流の研究が主題である。上垣外は中国の漢文学の日本に対する影響を担当し、古田島は中国道教と18世紀日本、芳賀はエンゲルベルト・ケンペルの日本旅行記に現われた日本観について、それぞれ発表を行なった。 中国の韋旭昇は18世紀における中国文学と朝鮮文学の交流関係、ドイツのヨリッセンはイエズス会士の日本に関する記述と、それが18世紀ヨ-ロッパにおいてどのような形の日本イメ-ジを形成したかについて発表した。 韓国の姜東は18世紀の朝鮮通信使の記録に現われる、大阪の木村蒹葭堂の評価について、崔博光は申維翰の「海遊録」に現われる、熊本の水足博泉と申維翰との詩を通じた交流について発表を行なった。 漢文を駆使した知識人達の東アジア世界内に於ける交流は、従来考えられていたよりも、はるかに緊密で親愛感に満ちたものである、という点が、総合討論に於いて確認された。これに対して、民衆レベルでの交流は、極めて限られたものであり、19世紀のナショナリズムの盛り上がりは、この階層を中心としたものであることが、注意された。
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[Publications] 上垣外 憲一: "剪燈新話と伽婢子" 「18世紀東アジア文化交流の研究」研究報告書. (1992)
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[Publications] 上垣外 憲一: "鎖国の比較研究" 徳川日本の比較文化(中央公論社). (1992)
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[Publications] 吉田 公平: "石門心学と陽明学" 「18世紀東アジア文化交流の研究」研究報告書. (1992)
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[Publications] 芳賀 徹: "ケンペルと比較文化の目" 「18世紀東アジア文化交流の研究」研究報告書. (1992)
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[Publications] 姜 東よぷ: "木村蒹葭堂の風流三昧的生活" 「18世紀東アジア文化交流の研究」研究報告書. (1992)
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[Publications] 崔 博光: "朝・日間のかけはしー申維翰と水足博泉の出会い" 「18世紀東アジア文化交流の研究」研究報告書. (1992)