1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01045021
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長堀 金造 岡山大学, 農学部, 教授 (30032973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道 爾吉 内蒙古農牧学院, 講師
桑 以琳 内蒙古農牧学院, 副教授
劉 徳福 内蒙古農牧学院, 副教授
布 和 内蒙古農牧学院, 副教授
張 樹春 内蒙古農牧学院, 副院長
宮本 拓 岡山大学, 農学部, 助教授 (00093708)
佐藤 勝紀 岡田大学, 農学部, 教授 (10033325)
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Keywords | 中華人民共和国 / 内蒙古自治区 / 農牧調査 / 草原土壌 / 家畜育種技術 / 家畜暁飼養技術 / 乳加工技術 |
Research Abstract |
中華人民共和国内蒙古自治区の広大な草原を3地域に区分し調査する3年間の計画中、本年度はその最終年度に相当する。7月28日から8月8日まで、呼倫具尓盟内の海拉尓市周辺及び額爾古納右旗に於て、土壌・家畜の育種と飼養実態・乳製品について調査した。先ず土壌については、海拉尓市南20〜25kmの鄂温克族自治旗内草地2カ所と額爾古納右旗三河西15km付近の林区内草地1カ所から採土した。前者は海拉尓市から真南に向かう主要道沿いに在るため草生もやや悪く、土壌もこれと相互に関連して肥沃度に乏しく一部には塩類の集積地も見られたが、道路から離れるに従い植生も回復することが分かった。後者は大興安嶺西麓の草生が豊かな一大牧畜生産地内に位置付けられ、土壌の物理・化学性の優れた暗栗色土が広く分布することが確認された。よって調査地周辺土壌は十分生産性が高いといえ、適切な管理と使用により今後も内蒙古における代表的な農牧生産基地で在り続けると確信された。一方、畜産関係の調査の結果、この地域で放牧飼育されている家畜の主な品種は三河馬、三河牛、蒙古羊であった。これらの在来品種はいずれも内蒙古自治区の気候、風土に適応し、また耐寒性、耐粗飼性、抗病性に富むことから、貴重な遺伝資源になるものと見られる。しかしこれらの家畜は自然交配によって繁殖がなされており、計画的な育種が行われていないため、家畜の生産性や品質は低く、特に蒙古牛と外国種との交雑によって作られた三河牛では体型、毛色は様々であり、外貌の遺伝的な均一性を欠いていた。今後、人工授精や受精卵移植などの技術の導入によって家畜の遺伝的改良が達成できるものと見られる。また、乳の利用については、遊牧経営から定着経営への移行と集乳体制の確立によって、従来の伝統的な乳加工技術の変貌も見られた。
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Research Products
(1 results)