1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01102051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昭允 東京大学, 理学部, 教授 (10011462)
渡邊 定元 東京大学, 農学部, 教授 (30182918)
宮野 健次郎 東京大学, 工学部, 助教授 (90167677)
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 教授 (10143653)
英保 茂 京都大学, 工学部, 教授 (40026117)
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Keywords | 揮発性化学物質 / SAWデバイス / 膜脂質 / シラカンバ / 植物間ケミカルコミュニケ-ション / リモ-トケミカルインタ-フェ-ス / 発根促進 / 発根阻害 |
Research Abstract |
高性能リモ-トケミカルインタ-フェ-スの概念を明確にするため、分担者との討論を重ねた結果、ケミカルコミュニケ-ションの実際の系として、相互に物理的接触が起こらない植物が化学物質によるコミュニケ-ションのみを調べたり、解析したりするには最適の系であるという結論に達した。植物としては、シラカンバを取り上げた。シラカンバはその精油成分中に多種の揮発成分を含んでおり、その揮発性化学物質が相互になんらかの作用をしていることが示唆されているが、濃度と相互作用の関係等についてはまだ知られていない。従ってこの糸で、ケミカルコミュニケ-ション物質の分離・精製や相互作用の解析を進めることとした。まず微量の揮発性化学物質のセンシング機能を知るための高感度検出システムの試作を行った。検出システムはsurface acoustic wave(SAW)デバイス上をフォスファチジルエタノ-ルアミンやフォスファチジルコリン等の膜脂質で被覆したセンサ-および、窒素ガスの導入コックと排気口が設けられた測定チャンバ-から構成されるものとして試作された。SAWデバイスの共振周波数変化はNetwork/Spectrum分析器で検知された。SAWデバイスは共鳴周波数が高いため高感度の検出が期待できる。このシステムを用いてcitral,B-Iononeなどについて共振周波数変化を調べたところ、数10ppm以上で検出が可能であり、気相ケミカルコミュニケ-ション物質の定量に今後適用できる可能性を得た。第二に生物のケミカルコミュニケ-ションについては、シラカンバ精油中の揮発性成分がシラカンバ種子へのケミカルコミュニケ-ションに果たす作用について調べるシステムを製作した。このシステムによる検討の結果、1部の成分(ゲラニオ-ル、オイゲノ-ル等)で低濃度における発根促進が認められた。また精油成分は高濃度では阻害を示し、濃度により定性的に全く異なる作用をすることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Wada,S.Kidokoro s.Endo: "Expanding Roles of Computer and Robotics in biological Macromolecular Research" Annu.Rev.Biophys.Chem. 18. 1-24 (1989)
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[Publications] 渡邊定元: "樹木のケミカル・コミュニケ-ション(シラカンバ・ミズナラの事例)" 日本林学会誌. 72. (1990)
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[Publications] H.Matsuoka: "Use of Plant Leaf in Biosensing for Some Odour Compounds" Korean J.Pharmacognosy. (1990)
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[Publications] T.Maeda,k.Miyano K.Sugita,N.Ueno: "Low energy electron trnsmission measurements on olydiacetylene Iangmuir-Blodgett Films" Thin Solid Films. 179. 327-340 (1989)
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[Publications] M.Gotoh,E.Tamiya M.Suzuki,I.Kubo and I.Karube: "Immuno-EFT senser" J.Mol.Catalysis. 53. 289-292 (1989)
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[Publications] 英保茂: "医用画動像処理の技法" BME. 3. 28-38 (1989)
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[Publications] Isao Karube ,Koji Sode: "Swiss Biotech" J.Leiser,ETH,Zurich(共同執筆), (1990)
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[Publications] 久保いずみ: "膜分離技術マニュアル(下)" I.P.C.東京(共同執筆), (1990)