1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01301070
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神山 敏雄 岡山大学, 法学部, 教授 (90033399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒光 徹 岡山大学, 法学部, 助教授 (70188605)
佐久間 修 京都産業大学, 法学部, 助教授 (00126864)
垣口 克彦 阪南大学, 経済学部, 教授 (50098183)
浅田 和茂 大阪市立大学, 法学部, 教授 (70067734)
斉藤 豊治 甲南大学, 法学部, 教授 (00068131)
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Keywords | コンピュ-タ犯罪 / クレジット・カ-ド犯罪 / 先物取引犯罪 / 証券取引犯罪 |
Research Abstract |
1.コンピュ-タ犯罪の分野では、テレホン・カ-ド変造事件や電磁的記録たる馬券の変造事件の発生状況の調査をし、それについての判例・学説を理論的に検討してきたが、この種事件についての新たな立法論上の問題が浮かび上がってきた。2.輸出入の分野においては、ココム違反事件を取り上げ、あらゆる角度から検討した結果、この種事件においては、その政治的・経済的利害関係が背後にあり、立法論及び法理論上多くの問題があるので、引き続きその検討を要する。3.クレジット・カ-ドの分野においては、年々増加するクレジット・カ-ド濫用事件の件数及びその濫用形態の調査をし、濫用についての判例・学説を検討した結果、クレジット・カ-ド取引の特殊性を考慮した場合、当該取引システムにまつわる濫用について特別の刑事立法をする必要があるのではないかとの問題が浮かび上がってきた。4.詐欺まがい商法の分野においては、豊田商事事件、マルキ事件、同和商品事件、ネズミ講事件、マルチ商法等を取り上げ、被害の実態を調査するとともに、その対策のために、業法のあり方、主務官庁の役割、被害者・弁護士の役割、警察・検察当局の役割・業者団体の役割等が検討されたが、これらの間に有機的関連性が薄く、その点が今後の研究課題となる。5.独禁法・不正競争防止法の分野においては、石油カルテル事件以来、大きな事件が発生していないこともあって、事件中心の研究よりは、当該分野において刑罰法規の果たす役割と行政処分の果たす役割との関係が問題となった。当面の最大の課題は談合事件をどのようにコントロ-ルしていくかにある。6.証券取引の分野においては、インサイダ-取引についての法的コントロ-ルやリクル-ト事件を取り上げて検討してきたが、今後の課題としては証券取引にまつわる逸脱行為の実態の解明である。7.外国法の分野では、米国、西独、フランス、シンガポ-ル、香港の経済犯罪対策を検討した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 斉藤豊治: "経済刑法・経済犯罪研究における視座の変遷" 刑法雑誌. 30. 455-499 (1990)
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[Publications] 神山敏雄: "先物取引と経済刑法" 刑法雑誌. 30. 500-527 (1990)
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[Publications] 佐久間修: "経済刑法の現代的課題-企業秘密の保護-" 刑法雑誌. 30. 528-550 (1990)
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[Publications] 佐藤雅美: "インサイダ-取引と刑事規則-証券取引法改正をめぐって-" 刑法雑誌. 30. 551-571 (1990)