1990 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代における資本主義世界の構造変化(国際連盟調査資料の分析)
Project/Area Number |
01301082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤瀬 浩司 名古屋大学, 経済学部, 教授 (20022452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 功 名古屋工業大学, 講師 (90179284)
金井 雄一 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (30144108)
伊藤 正直 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (70107499)
麻沼 賢彦 四日市大学, 経済学部, 助教授 (00141630)
堺 憲一 東京経済大学, 経済学部, 教授 (70138676)
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Keywords | 1930年代の資本主義 / 国際連盟調査資料 / 国際連盟経済関係機関 / 資本主義の構造変化 / 両大戦間期の世界経済 |
Research Abstract |
本研究は、1930年代の世界資本主義の構造変化を、主に国際連盟(League of Nations)の刊行資料に基づいて解明することを目的とする。平成2年度は、平成元年度に引続き国際連盟刊行資料の公式分類IIA・IIBを中心に収集を進め完了した。そしてこれら資料の分析を進めることを通じて、1930年代の世界資本主義についてのより深い理解に到達するとができた。 上記のような共同研究で得られた知見を簡潔に述べる。まず第一に、大恐慌後の世界資本主義にあっては、一方ではブロック化に示されるような世界の分断化が進む中で、他方では各国経済が類似した経済社会問題に直面したことから分かるように、主要国経済の同質化が進行し、第2次世界大戦後の世界資本主義の統合化を準備した、ということである。 また第二に、国際連盟内の経済関係専門機関の活動が、1920年代と大恐慌後の1930年代とでは大きく異なり、1930年代には加盟国の経済政策や調査等についての活動が活発化する。この変化は、第一で述べた各国経済の同質化を反映するものと考えられる。 第三に、以上より1930年代における資本主義は、本研究がそこにおいて検出しようと試みている「新たな世界秩序への胎動」を十分有するものであることがより明確に理解された。 このような共通の理解に基づき、本年度末に各分担研究者の最終的な課題を決定し、本研究の最終年度たる平成3年度に研究成果報告書を作成するとともに、本研究の課題に関する研究書の公表=出版をめざすことになる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 李 修二: "国際連盟「経済・金融機構」の活動の方法 1920ー1939" 四日市大学論集. 3巻1号. 55-69 (1990)
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[Publications] 須藤 功: "第1次大戦前における「アメリカ製造業者輸出協会」の活動 1912ー1914年" 名古屋工業大学学報. 42巻. 97-110 (1991)
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[Publications] 金井 雄一: "イギリスにおける金融政策の形成と展開" 経済研究所年報(成城大学). 4号. (1991)
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[Publications] 伊藤 正直: "1933年ロンドン国際会議と日本ー貿易・通商問題を軸にしてー" 日本帝国主義の経済政策(後藤靖編)柏書房. (1991)