1990 Fiscal Year Annual Research Report
技術教育における情報基礎教育のカリキュラム開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
01301095
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
村田 正男 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00007931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 伸一 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30165857)
菊地 章 鳴門教育大学, 助教授 (20127822)
板倉 安正 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20027824)
村田 昭治 金沢大学, 教育学部, 教授 (50190913)
鈴木 寿雄 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90114165)
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Keywords | 情報基礎教育 / プログラミング教育 / 学習効果 / カリキュラム |
Research Abstract |
コンピュ-タに対する好き嫌いは、プログラミング教育の進め方いかんに大きくかかっている。そこで、プログラミングの教授法を、(1)従来の計算中心による方法、(2)グラフィックスを利用する方法、(3)制御機器を利用する方法、に分けて実施し、そのときの学習意欲と評価テストを学習者の特性によって分類し、生徒の持つ特性とプログラミング教授法についての関係を調べた。 実践教育を通してわかったことは、プログラミングの学習には、グラフィックスを用いることが学習意欲、学習効果の点で最も優れているということである。これに反して、従来効果的とされてきた制御機器を用いる方法は、教師側にかかる荷重が大きい上に、できる生徒とできない生徒が大きく分極してしまうということも本調査から明らかになってきた。さらに、コンピュ-タの経験の有無が、グラフィックス法の学習効果にとりわけ大きく現れることも明らかになった。さて、従来の計算中心の教授法では、授業法をいかに工夫しようとも学習意欲の減退は免れず、従って評価テストの結果も上記3方法のうちでは最も低い値を示した。このことは、この方法で学習効果を上げるには、教授法によるというよりはむしろ、学習者自身の能力に依存するところが、頗る大きいことを示唆しているように思われる。 実践研究結果の普及に関しては、東北地区、九州地区で、研究成果発表会を行った。本研究を通して、終始底流に流れた情報基礎教育に対する基本的な考え方は、情報基礎教育では「コンピュ-タ嫌いの子を作らない」ということである。最近発表されたカリキュラムの多くは、大分肩の力も抜け、教育現場で実際に利用できそうなものが数多く見受けられるようになってきた。情報基礎教育の今後の発展を祈ってやまない。
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[Publications] 村田 昭治他: "新「中学校学習指導要領」の解説" 日本産業技術教育学会誌. 31巻2号. 127-137 (1989)
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[Publications] 村田 正男: "教員養成における「情報基礎」教育ー技術・家庭科にかかわってー" 教科教育研究(日本教育大学協会第二常置設置委員会編). 第7集. 181-200 (1989)
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[Publications] 村田 正男他: "「情報基礎」にどう取り組むか" 日本産業技術教育学会誌. 31巻3号. 179-202 (1989)
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[Publications] 板倉 安正他: "滋賀大学附属中学校における「情報基礎」領域の実践結果" 日本産業技術教育学会誌.
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[Publications] 村田 昭治: "「情報基礎」と技術科教育" 日本産業技術教育学会誌.