1991 Fiscal Year Annual Research Report
限界状態設計法における荷重外力と構造物の抵抗力の評価
Project/Area Number |
01302047
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Research Institution | Dept.of Architecture, Faculty of Engineering, The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 順 東京大学, 工学部, 助教授 (80134477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 順 名古屋大学, 工学部, 教授 (90023051)
高梨 晃一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013124)
加藤 勉 東洋大学, 工学部, 教授 (60010576)
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Keywords | 限界状態設計法 / 使用限界状態 / 終局限界状態 / 荷重組合せ / 塑性変形能力 / 確率モデル |
Research Abstract |
本研究最終年度に当たり、限界状態の位置付けについての確認を行った。限界状態設計法が実用的に展開されるに当たっては、以下のそれぞれの対比において限界状態を適切を把握しておく必要がある。すなわち、(a)使用限界状態と終局限界状態、(b)耐力評価と変形評価、(c)概念的限界状態と実際の限界状態、(d)部材の限界状態と骨組の限界状態、(e)動的評価と静的評価、それぞれについて条件の整理を試みた。 荷重効果の評価については、積載荷重、風荷重、地震荷重について、それら荷重強さの統計評価がある程度整備されているとの認識に立ち、風による建物の応答評価の展開と、地震による弾塑性応答評価ならびに高層建物の構造特性の統計的評価を主に行った。また、設計条件式の構成については、荷重組合せの体系化が重要であるが、比較的汎用性のある対数正規分布モデルを前提として、その組合せモデルの近似評価法を検討した。すでに確率過程モデルを用いた理論展開を示しているが、それについての検証を認め、組合せの考え方を整理した。 鋼部材の耐力・変形性能評価については、改めて、細長比、幅厚比を主パラメ-タとして、デ-タベ-ス化を進め、広範な実験結果の見直し、考察を加えつつ、統計的評価をとりまとめた。 以上、前年度までの成果をさらに展開する形でとりまとめると共に、限界状態設計法の真価が発揮できるための基本条件を整理し、総合的に研究成果を統括し、荷重外力と構造物の抵抗力の評価としてまとめた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 山田 哲: "局部座屈を伴うステンレス鋼部材の最大耐力と変形能力" 日本建築学会構造工学論文集. 37B. 239-245 (1991)
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[Publications] 近藤 日出夫: "複合応力状態におけるH形鋼柱の耐力劣化現象ーその1 実験報告ー" 日本建築学会関東支部研究報告集. 97-100 (1991)
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[Publications] 陳 以一: "複合応力状態におけるH形鋼柱の耐力劣化現象ーその2 解析報告ー" 日本建築学会関東支部研究報告集. 101-104 (1991)
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[Publications] 張 韶華: "既存高層建物の降状せん断力係数分布が耐震性評価に及ぼす影響" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 85-86 (1991)
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[Publications] 孟 令樺: "静的解析による鋼構造骨組のエネルギ-吸収能力の評価" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1499-1500 (1991)
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[Publications] 張 韶華: "高層建物の動的性質の統計的解析" JCOSSAR'91論文集. Bー32. 651-654 (1991)
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[Publications] 神田 順: "上限値を有する荷重確率モデルの最適信頼性への影響" JCOSSAR'91論文集. Bー34. 659-662 (1991)
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[Publications] 河野 守: "信頼性解析手法に関する一考察" 日本建築学会東海支部研究報告. 177-180 (1992)
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[Publications] 松下 吉男: "ステンレス鋼(SUS 304)部材の非弾性局部座屈強さと変形能力" 日本建築学会構造工学論文集. 38B. (1992)