Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 終五 東京大学, 農学部, 助教授 (40111489)
関 伸夫 北海道大学, 水産学部, 助教授 (20002090)
畑江 敬子 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (50156337)
槌本 六良 長崎大学, 水産学部, 教授 (20080525)
橋本 周久 茨城大学, 教育学部, 教授 (30011828)
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Research Abstract |
1.死後硬直に伴う魚類の筋原線維ATPase自体の活性の変化は小さかった。10℃よりも0℃において死後硬直の進行が速いのは,0℃では筋小胞体のCa^<2+>取り込み能が低下するため筋小胞体からのCa^<2+>の漏出が起こり,そのため細胞内Ca濃度が増大し,筋原線維Mg^<2+>ーATPaseが賦活され,ATPが速やかに分解される。その結果,死後硬直の進行が促進されることがわかった。2.長期間運動飼育した養殖トラフグは通常の養殖物に比較して顕著に死後硬直が遅延した。運動飼育によって筋タイプに変化が生じ,天然魚のそれに類似していた。3.天然スズキを即殺し,0°,18°,49℃であらいを調製したところ,49℃あらいではATPが著しく減少し,IMPは急増し,縮みはきわめて強かった。あらい処理によってフラクト-ス1.6ニリン酸(FDP)が生成,蓄積すること,49℃ではFDPがさらに分解し,乳酸が多量生成することが明らかとなった。すなわち,49℃あらいでは解糖によって補給されたATPが硬直エネルギ-として使われ,強い硬直が起こるのである。4.マダイ,コイの活魚を用い,即殺後急速凍結し,流水解凍すると解凍硬直が観察された。マダイおよびコイではー1.6℃,ー1.1℃でそれぞれ最も解凍硬直が強く,硬さは最大値を,針入度は最小値を示した。この温度差は海水魚と淡水魚の凍結点の差異によるものと考えられた。5.魚肉の解硬,軟化の原因として筋原線維の小片化が挙げられるが,小片化はαーアクチニンがプロテア-ゼによってZ線から遊離,可溶化され,Z線の構造が脆弱化して起こることがわかった。また,弾性タンパク質コネクチンおよびネブリンはいずれも分子量の巨大なタンパク質であり,筋原線維の10数%を占めているが,これらのタンパク質の貯蔵初期における分解は筋原線維の構造の弱化の要因と考えられた。
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