1989 Fiscal Year Annual Research Report
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01304041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 久一 久留米大学, 医学部, 教授 (10080649)
土肥 雪彦 広島大学, 医学部, 教授 (90034024)
森岡 恭彦 東京大学, 医学部, 教授 (10048952)
森 昌造 東北大学, 医学部, 教授 (70004877)
内野 純一 北海道大学, 医学部, 教授 (40000989)
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Keywords | 臨床肝移植 / 肝移植ネットワ-ク / 末期肝疾患 / 登録システム / 適応基準 / 拒絶反応 / 特異的免疫抑制法 / 臓器保存 |
Research Abstract |
本年度後半に入り、島根医科大学に於ける生体肝移植の実施、九州大学医学部倫理委員会の生体肝移植の承認、東京大学医科研究所倫理委員会の脳死者からの肝移植の認可と、わが国の臨床肝移植もにわかに動き始めてきた。本研究はわが国に於て、肝移植を末期肝疾患の一般的治療手段として定着・普及させることを目的とし、まず、医学的問題として、(1)わが国に即した肝移植適応基準の決定、(2)肝臓提供者の基準設定、(3)拒絶反応の診断及び抑制法の開発、(4)移植臓器の保存法の確立を、また、肝移植実施のためのシステム化として、(5)肝移植適応患者に関する情報交換及び登録システムの確立(デ-タ-バンク)について総合的に検討している。 医学的諸問題については、班員が個別にその研究を開始したところで未だ結論を導く段階に至っていないが、現在までの検討事項を述べると以下の通りである。まず、わが国の肝移植適応基準を定めることについては、(1)肝患者による死亡が非常に多い、(2)臓器提供者が極端に少ない、(3)肝患者の性状が欧米と異なる、(4)移植以外の医療レベルが極めて良いこと等より、やはり、わが国独自の基準作りが必要であることが明白となり、現在、対象疾患ごとに詳細を検討している。また、抗原特異的免疫抑制法の開発では、肝臓からの可溶化クラスI抗原が肝臓のみならず、他の移植臓器の生着までも延長させる役割を果たしている可能性が示され、今後の検討が非常に期待されている。肝臓の保存法の開発では、UW液の保存効果の機序が初めて解明されつつある。 さて、肝移植のシステム化については全国をいくつかのブロックに分け、全国ネットワ-クを整備することが検討されている。また、肝移植適応患者のデ-タベ-ス化については、初年度の予算でワ-クステ-ションを購入し、現在デ-タベ-スのプログラムを開発中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hasuike Y.,Monden M.,Mori T.et al.: "Immunological unresponsiveness to hepatic allografts in rats.Immunological reactivity of the recipient to donor antigen." Transplantation. 47(6). 1043-1047 (1989)
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[Publications] M Monden,T Mori.et al.: "A Potent Immunosuppressive Effect of FK 506 in Orthotopic Liver Transplantation in Primates." Transplantation Proceedings. 22(1). 66-71 (1990)
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[Publications] Nobuhiro Ohkochi,Shozo Mori.et al.: "Successfull Kasai Operation in Biliary Atresia;Selection of Recipients for Liver Transplantation." Journal of Pediatric Gastroenterolgy and Nutrition. 9. 416-420 (1989)
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[Publications] S.Marubayashi,K.Dohi,K.Sugino,T.Kawasaki: "The Protective Effect of Admonistered α-Tocopherol against Hepatic Damage Caused by Ischemia-Reperfusion or Endotoxemia." Annals of the New York Academy of Sciences. 570. 208-218 (1989)
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[Publications] 木村純、柿田章、中島保明、田中康夫、大村孝志、槌本真也、長谷泰司、内野純一: "ブタ同所性肝移植 術後胃潰瘍発生に関する検討" 今日の移植. 3(1). 25-30 (1990)
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[Publications] 谷川久一: "成人例の肝移植の適応に関する問題点 第1回九州山口臓器移植検討会における講演" 臨床と研究. 66(4). 1224-1228 (1989)
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[Publications] (岡村純)、門田守人、後藤満一、森武貞: "“肝移植"新外科学大12「臨床肝臓病学」P293-326" 中山書店, 426 (1989)
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[Publications] (岡村純)、門田守人、後藤満一、森武貞: "“肝移植"「臨床肝臓病学」P583-594" 朝倉書店, 634 (1989)