1991 Fiscal Year Annual Research Report
複数衛星を利用した捜索救難、災害医療の総合ネットワ-ク化に関する基礎研究
Project/Area Number |
01304050
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中島 功 東海大学, 医学部・救急医学教室, 教授 (00183509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 衛 秋田大学, 医学部・第2内科, 助手
渡辺 美千明 日本医科大学, 産婦人科教室, 助手
大森 慎吾 郵政省通信総合研究所, 宇宙通信部, 室長
渡辺 一平 東海大学, 医学部・病院管理学教室, 助手 (50147162)
尾崎 恭輔 東海大学, 医学部・病院管理学教室, 教授 (90119660)
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Keywords | 技術試験衛星V型 / 生存情報 / 位置情報 / 捜索救難システム / ライフジャケット / 心電図伝送 / パケット通信 / トリア-シュ(triage) |
Research Abstract |
米国(NOAA)、フランス、カナダ、ソ連の4ケ国は、周回型衛星を用いた捜索救難システムCOSPASーSARSATプロジェクトを強引に推し進めているが、このシステムは多くの問題を抱え、実現が大幅に遅れている。元来このCOSPASーSARSATは、海上漂流ブイよりの海洋デ-タ収集システムであるARGOSシステムを流用したもので、伝送できる情報は識別符号(ID)と32bitの付加情報で、生存者に関する医療情報は考慮されていない。我々は、かねてよりCOSPASーSARSATの諸問題を指摘し、海事衛星バンド(1.6/1.5GHz帯)を利用した技術試験衛星V型での捜索救難システムの実験を行った。 この実験では、静止用遭難ブイを試作し、これに位置情報と生存者の情報を伝送するものである。遭難ブイは、周回衛星(衛星航法衛星)の信号を受信し、位置情報を得(24時間利用可能)、位置精度は30m程度である。また生存情報としてライフジャケットより心電図を、遭難ブイを中継してセンタ-まで正確に伝送し、生存者数、生存状態を把握することが可能である。本システムでは、散在する遭難者の生存情報、位置を救助隊が到着する以前に把握することができ、人命を対象とした救助活動、救急医療をこれまで以上に効率よく開始することが可能であることが検証された。 将来、実用化するならば専用のライフジャケットを普及させる必要があるが、本システムでは、生存情報が事前に把握でき、捜索救難活動、人命救助、災害医療は大きく変るものと予測される。
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