1989 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレス耐性と植物細胞膜の機能と安定性に関する榮養生理学的解析
Project/Area Number |
01440011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
尾形 昭逸 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70034436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
実岡 寛文 広島大学, 生物生産学部, 助手 (70162518)
河野 憲治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50034476)
藤田 耕之輔 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90002170)
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Keywords | ポリエチレングリコ-ル法 / 細胞膜安定性 / 耐水分ストレス性 / 浸透物質 / 水分通導抵抗 / アポプラスミック移動 / シンプラスミック移動 |
Research Abstract |
供試作物として、トウモろコシ8品種、寒地型草種としてオ-チャ-ドグラス15品種、並びに暖地型草種であり耐干性の強いロ-ズグラスと弱いハトムギを選び、水耕法、土耕法ならびに圃場条件下で供給水分のポテンシャル条件を制御して栽培し、耐水ストレス性と細胞膜安定性、細胞膜構成リピッドの生成能、構成成分、葉組織クチクラ構成ワックス集積能、細胞膜安定性に関与する細胞内成分(液胞成分)、その他吸収水分の体内移動能に関する検討を進めた。その結果、次の結論を得た。 1.ポリエチレングリコ-ル法による細胞膜安定性は耐水分ストレス性と高い正の相関関係にあり、ポリエチレングリコ-ル法による評価は、簡易かつ信頼性のおける方法であると結論できる。 2.この細胞膜安定性に関与する細胞内成分としてはカリ、および水溶性炭水化物濃度であり、夏期の高温期にはカリであり、秋期から冬期にかけては可溶性低分子糖であることが確認し得た。 3.上述の細胞内成分の集積、保持に関する細胞膜構成成分に関与するATPase活性の評価については細胞膜調整法に関して十分な方法を確立し得たが、その測定についてはなし得ず、次年度の課題である。 4.吸収水分のより効率的体内移動、と水分効率に関しては次の結果を得た。1)吸収水分の体内移動は組織の水ポテンシャルの勾配に従うが、この勾配への抵抗は組織と組織のジョイント部の抵抗によって水の移動が制御されていること、2)水移動についてはアポプラスミック、シンプラスミックの制御の存在が有り得ることを確認できた。この両パスウェイと耐水分ストレス性との関連をさらに検討する必要のあることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] G.S.Premachandr,S.Ogata and H.Saneoka: "Evaluation of Polyethylene Glycol Test for Measurement of Cell Membrane stability in Maize" Soil Sci.Plant Nutri.35. 565-573 (1989)
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[Publications] G.S.Premachandr,H.Saneoka,M.Kanaya and S.Ogata: "Response of Relative Growth Rate,Water Relations and Solute Accumulation to Increasing Water Deficits in Maize" J.Plant Physiol. 135. 257-260 (1989)
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[Publications] 実岡寛文: "暖地型飼料作物の水ストレス耐性機構 根と茎の間などの境界部位での通導は抗の遺いがポイント" 化学と生物. 28. 149-151 (1990)
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[Publications] 実岡寛文・尾形昭逸: "暖地型飼作物の根から地上部への水の移動と根・茎および葉への水の分配におよぼす水ストレスの影響" 日本土壌肥料学会雑誌. 61. (1990)
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[Publications] G.S.Premachandra,H.Saneoka,K.Fujita and S.Ogata: "Cell Membrane Stability and Leaf Water Relations as Affected by Phosphorus Nutrition under Water Stress in Maize" Scil Sci,Plnat Nutri.(1990)