1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘルペスウイルスー6(HHVー6)のウイルス学的分子生物学的研究
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01440032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山西 弘一 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10029811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 部長 (50012779)
奥野 寿臣 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10221152)
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Keywords | HHVー6 / 突発性発疹 / DNAクロ-ニング / 潜伏感染 / PCR |
Research Abstract |
本年はこの課題の最終年度であり前年、前前年に引続きHHVー6のウイルス学的分子生物学的研究を行い以下の結果を得た。 (1)臓器移植の進歩に伴い、移植の成否を決定する意味においてもウイルス感染症の制圧は重要な課題となってきている。腎移植前後でHHVー6に対する抗体の変動、HHVー6についてPCR法を用いて血中のウイルス量の推移を拒絶反応との関連性で検討した。その結果腎移植患者の半数は拒絶反応が認められたがいづれもHHVー6の抗体の変動が認められたがサイトメガロウイルス(CMV)の抗体変動は拒絶とは関連性が認められなかった。又HHVー6のDNAの量はCMVより早期に上昇した。又HHVー6も拒絶患者のみから分離された。以上の結果よりHHVー6の再活性化と拒絶反応に相関性が認められた。 (2)HHVー6の感染源及びその伝播経路は未だ明らかにされていない。分子疫学的手法を用いてその検討を行った。4家族より分離した株及び標準株HST株の6塩基認識酵素切断パタ-ンの比較よりPstI、BamHIの両制限酵素で全株間の認識が可能であった。3兄弟の分離株、2母子の分離株において家族内ではこの2制限酵素の切断パタ-ンは同一のものであった。サザンハイブリダィゼ-ションの結果、1家族の1子のみにその母と異なる1本のバンドの出現を見たが、他の家族内では同一のパタ-ンであった。以上の結果よりHHVー6は、母親を感染源とし主として唾液を介しその子供に伝播することが示唆された。 (3)HHVー6は自然の感染系はヒトのみであるがアフリカミドリザル,カニクイザルでの感染実験の可能性を検討した。サルへの接種実験で抗体の上昇は全てのサルに認められた。PCR法によるウイルスDNAの検出は両サル群共接種後10日より末梢血に検出された。以上の結果より今後HHVー6の潜伏感染の解析にサルが用いられることが期待された。
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[Publications] Shiraki K,Mukai T,Okuno T,Yamanishi K Takahashi M.: "Physiochemical characterization of human herpesvirus 6 infectivity." Journal of General Virology. 72. 169-172 (1991)
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[Publications] Kondo K,Kondo T,Okuno T,Takahashi M.Yamanishi K.: "Latent human herpesvirus 6 infection of human monocytes/macrophages." Journal of General Virology. 72. 1401-1408 (1991)
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[Publications] Kusuhara K,Ueda K,Okada K,Miyazaki C,et al.: "Do Second attacks of exanthem subitum result from human herpesvirus 6 reactivation or reinfection?" The Pediatric Infectious Disease Journal. 10. 468-469 (1991)