1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとラットの拒絶反応機序の共通性と分化に関する研究
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01440067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
園田 孝夫 大阪大学, 医学部, 教授 (80028290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小角 幸人 大阪大学, 医学部, 助手 (30186639)
高原 史郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70179547)
石橋 道男 大阪大学, 医学部, 講師 (40107032)
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Keywords | 活性化マクロファ-ジ / 溶血 / 拒絶反応 / 接着分子 / サイクロスポリン |
Research Abstract |
腎移植は末期腎不全患者に対する根治的治療として期待の大きい治療法である。より安全でより成功率の高いものとなるためには,拒絶反応機序の解明に基づいた新しい研究開発が必要である。臨床例における解析検討だけでは不十分であり、また動物実験だけでも臨床への応用の面から限界もある。そこで、ヒトと動物、特にラットにおいて共通した拒絶反応機序の存在が明らかにされ、また新しい研究方法論が提供されるようになれば、免疫抑制療法を含めた移植治療に新しい視点が導入される事になるであろう。現在、拒絶反応の研究面で未解決の分野は、エフェクタ-機構のうちでも、活性化マクロファ-ジまたは活性化単球の産生調節についての免疫遺伝学的検討であり、ヒトとラットのいずれにおいても未知の点である。活性化単球、マクロファ-ジの研究上、試験管内におけるエフェクタ-産生と組織適合性を検討する方法はこれ迄ほとんど研究されていない。本研究者は、溶血活性を示すspontareous plaque-forming cell,SPFC単球をヒトにおいて発見し、試験管内における誘導産生機構を明らかにするとともに、サイクロスポリンをはじめとする免疫抑制剤の抑制パタ-ンおよびサイクロスポリン感受性と移植腎生着に相関のある事を報告した。ヒトで拒絶反応に関わっていると示唆された活性化単球SPFCがラットにおいても同じように拒絶反応と関わり存在する事を見い出した。特にラット同種拒絶反応が強く生じるACI→Lewisの組合せにおいて、拒絶皮膚浸潤細胞中に優位に存在する事が見出された。ヒトとラットにおいて共通した拒絶反応エフェクタ-である活性化マクロファ-ジSPFCが存在する事、そして最近の研究で、接着分子についてもヒトとラットに共通したレセプタ-が活性化単球に発見されている事も判っている。次年度は、接着分子の共通性と機能分化の検討へと発展してゆくであろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishibashi M.:"Immunopharmacologic effects of immunosuppressive agents explored by a new effector monocyto generatin assay" Transpl.Proc.,. 21. 1854-1858 (1989)
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[Publications] Moutabarric A.:"Cellular hemolytic response by a new monocyte effector in rat alloskin graft rejection." Proc.Jpn.Soc.Immunol.,. 19. 452 (1989)