1990 Fiscal Year Annual Research Report
William Faulkuerの草稿・資料の調査・研究
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01450065
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小野 清之 千葉大学, 文学部, 教授 (20098263)
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Keywords | 草稿の照合 / <Go Down,Moses>___ー論 / 未発表短篇集 / 訳者解説 / 抽象名詞の地方性 / Ernest Gaines / Faulkner Studies / 南部の人種間題 |
Research Abstract |
1.光学読み取り機で,<The>___ー <Sound>___ー <and>___ー <the>___ー <Fury>___ーと,<As I Lay Dying>___ーを読み取った。主要作品をすべて読み取り,草稿との照合を始められるようになった。 2.<ーGo Down,Moses>___ー論が,ア-サ-・キニ-教授による編集で,代表論文集に収載された。昨年10月,ボストンのG.K.Hallから出版された。(日本人研究者としては初めてのことである) 3.未発表短篇を完訳。冨山房・フォ-クナ-全集第26巻として刊行の予定。目下、その巻末に付す「訳者解説」を執筆中。 4.これまでの調査。研究の一部を、東京大学で併任講師として、一年間、講義。初期・習作時代から、<The>___ー <Sound>___ー <and>___ー <the>___ー <Fury>___ーまで講じた。 5.フォ-クナ-の影響を強く受けている黒人作家・Ernest Gainesについて、書評として南ミシシッピィ大学が出している<Southern>___ー <Quarterly>___ーに寄稿した。 6.草稿研究の副産物として、フォ-クナ-の作品中における「抽象名詞」の持つ意味,殊に「名誉」「愛」の概念が深く,南部文化の伝統と深く結びついていることに気づくようになった。「抽象名詞の歴史性・地方性」ということも、今後の研究課題の一つに加えたい。 7.資料研究を重視した国際的研究誌を、山口書店の協力で刊行することになり,その創刊号の編集を終えた。(雑誌名<Faulkuer Studies>___ー;共同編集者,ミシェル・グセッセ・パリ大教授,ノエル・ポ-ク・南ミシシッピ大教授,大橋健三郎・鶴見大教授) 8.「アメリカにおける弱者の歴史」(拙論)で、南部の人種問題を論じた。
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[Publications] 小野 清之: "Ernest Gaines" <Southern>___ー <Quarterly>___ー. (1991)
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[Publications] Arthur Kinney (ed.): "<Critical Essays on William Foulkuer>___ー:<The McClaslin Family>___ー" Boston:G.K.Hall, 279 (1990)