1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450102
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
丸田 定子 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90015074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幹俊 東京農工大学, 農学部, 助手 (90014969)
後藤 光蔵 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30013030)
渕野 雄二郎 東京農工大学, 農学部, 助手 (60015104)
梶井 功 東京農工大学, 農学部, 教授 (60041589)
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Keywords | 共同経営 / 農事組合法人 / 農業生産法人 / 地縁型共同経営 / 機能型共同経営 |
Research Abstract |
農業の経営環境がきびしさを増し、また各地で農業労働力の世代交替期に当って後継者不足がいよいよ深刻になっている。そのため、農業の崩壊、耕作放棄の危険が増大する一方、農地の流動化も進んでおり、土地利用型農業における規模拡大も引き続き進行している。その中で共同経営の位置づけをみると、統計が「協業経営」として捉えている経営体数は増加してはいない。しかし、農事組合法人数は最近15年間増加傾向にある。また、実態調査の結果、農地の売買、賃貸借による農地集積の結果、大規模法人経営が設立されたり、従来から設立されていた経営が借地をふやして50ha,100haと規模を拡大していることが確認された。既存の実態調査結果に今回の結果を加えると、こうした大経営は、遠隔過疎畑作地帯、兼業深化水田地帯に形成されていることがわかった。日本海側水田単作地帯についていえば、庄内には歴史の古い農事組合法人(地縁型)があるが、面積に比べて労働力が多く外延的拡大がむづかしく集約化の方向をとっている。北陸や東海の水田地帯では、兼業農家が離農する傾向が強まっており、家族労働力の限界を越える規模の農地集積が可能であり、法人大規模経営が形成されている。だが、北陸の中でも農業の条件が地形、単収等で不利な地域では法人の後継者がえられないという問題も発生している。過疎畑作地帯では、多数の農家の離農により農地にゆとりができ、地力維持作物(緑肥、牧草)と集約作物の輪作による大規模複合の法人経営が形成されている。 共同経営は、従来、複数の農家の集まりと説明されてきたが、今日ではこの定義に当てはまらない経営体が少なくない。しかし、個人(家族)経営、企業経営と異る共同経営は、複数の経営者が組合型結合で結合されていること、所有、経営、労働が完全に分離していないこと、1人の出資に限度があることが特徴づけられる。
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