1990 Fiscal Year Annual Research Report
精神的に了解困難な一般病棟患者に対するリエゾン精神看護学の教育と実践のモデル開発
Project/Area Number |
01450103
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
南 裕子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70094753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10171802)
小代 聖香 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70206267)
野嶋 佐由美 高知女子大学, 家政学部, 助教授 (00172792)
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Keywords | リエゾン精神看護 / 精神看護 / 了解困難な患者 / ストレス / コ-ピング / 燃え尽き / 看護モデル / 援助システム |
Research Abstract |
今年度は、開発修正した質問紙を用いて、リエゾン精神看護のニ-ドの実態調査を行い、質問紙及び面接調査の結果を基に、リエゾン精神看護の実践モデルの開発を行った。以下に研究成果の概要を述べる。 1.質問紙調査の結果:対象は成人系の病棟に働く看護婦661人であった。対象者の内の約半数が燃え尽き群であった。看護婦は了解難で困る患者に出会うと、共感し問題解決しようと努力している。しかし燃え尽き状態に陥ると、怒りの感情を抱き、回避的コ-ピングを用いており、問題解決ができないことがわかった。燃え尽き状態は身体症状と結び付いていて、薬を使う率も高く、職場でのサポ-ト量も少ない。約70%の看護婦がカウンセラ-やリエゾン看護婦のサポ-トを希望していた。 2.面接調査の結果:25人の看護婦を対象に行った面接調査の結果看護婦は、攻撃的・威圧的・操作的で看護婦を脅かす、病人役割をとらない、不安が高く依存的である患者に出会って困っていた。そしてこのような患者への対応について専門的なサポ-トが欲しいと希望していた。 3.リエゾン精神看護実践モデルの開発:以上の結果からリエゾン精神看護婦のサポ-トが実践の場での有効なサポ-トシステムになりうると考え、試験的にコンサルテ-ションル-ムを設けてリエゾン精神看護を実施し、モデル開発を行った。モデルは以下の通りである。1)対象:リエゾン精神看護の対象は看護婦を基本とし、状況・システムに応じて患者の直接ケアをすることも有り得る。2)目的・a.患者についてのコンサルテ-ションb.看護婦のサポ-トc.患者ケアの質の向上d.看護婦の精神的健康の向上。3)技術:a.コンサルテ-ション(患者の状態のアセスメント、問題の明確化、ケア方法の提示)b.看護婦のサポ-ト(精神状態のアセスメント、カタルシス、自尊感情を高める)4)システム:施設内外で可能。リエゾン活動に必要な基礎的知識・技術も明らかにした。
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[Publications] 小代 聖香: "看護婦が「困る」患者に出会う頻度,困難度と燃え尽き、サポ-トとの関連" 日本看護科学会誌.
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[Publications] 田中 美恵子: "看護婦の燃え尽きを予防するためのコンサルテ-ション・リエゾン精神看護の方法の探究" 看護管理.
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[Publications] 小代 聖香: "看護婦が「困る」患者に出会った時の感情,コ-ピングと求めるサポ-ト" 看護研究.