1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460160
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
水品 静夫 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00021999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 敏文 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (20135239)
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Keywords | 体温計測 / 無侵襲温度測定 / マイクロ波 / ラジオメトリ / ラジオメ-タ / 多周波 / 温度プロフィル測定 / マイクロ波ラジオメトリ |
Research Abstract |
生体内部の温度分布を、組織内に温度計プロ-ブを刺入せずに、無侵襲計測する新しい技術を開発することが本研究の目的である。無侵襲温度分布測定において、深さ方向の温度分布の測定が、横方向の温度分布の測定より、著しく難しい問題なので、本研究では先ず困難な問題に取り組み、深さの関数として温度分布を測定する技術を確立することとし、生体を対象とした多周波マイクロ波ラジオメトリに基づく測定技術について、理論と実験の両面から研究を進めた。ことに、癌温熱療法における無侵襲温度測定技術の開発が、現在、緊急研究開発課題となって来ている折から、生体とラジオメ-タ用アンテナとの間にボ-ラスを挟んだ状態で、生体内の温度分布計測が可能か否かについて詳しく検討した。癌温熱療法の加温時に、体表付近の組織の過度な温度上昇を抑えるために、内部に冷却水を潅流した袋(ボ-ラス)の体表装着が必要だが、温度測定にとっては、ボ-ラス内の水が熱輻射電波を出し、かつ、生体組織から来る熱輻射電波の一部を吸収するため、ボ-ラスを挟んでの温度測定は、その精度が著しく劣化するおそれがある。 本年度の研究で、ボ-ラスを挟んだ状態で多周波マイクロ波ラジオメ-タによって測定した輝度温度測定値から、生体内組織の温度プロフィルを求めるデ-タ解析法を開発した。この解析法によって各深さにおける組織温度の信頼区間を計算でき、従って、組織温度の測定精度を定量的に求めることが出来る様になった。測定の中心周波数が1.2,1.5,2.5,2.9,3.6GHzのラジオメ-タを使った筋肉等価寒天ファントム内の温度プロフィル測定実験結果から、蒸留水を潅流した1cm程度の厚さのボ-ラスを挟んだ状態での測定で、輝度温度分解能が0.03Kの時、深さ4cmで±1.2℃程度の精度で、組織温度を無侵襲温度測定できることが明らかになり、この測定技術を実用化する上で重要な知見が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Mizushina: "A method of solution for a class of inverse problems involving measurement errors and its application to medical microwave radiometry" 1989 IEEE MTT-S International Microwave Symposium, Digest. 171-174 (1989)
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[Publications] 松井克哉: "5周波マイクロ波ラジオメトリ無侵襲温度計測におけるボ-ラスの影響" 日本ME学会 生体温度計測表示と臨床温度計測研究会資料. (1990)
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[Publications] S.Mizushina: "Microwave radiometry and temperature profiling." Proceedings of the Progress in Electromagnetics Research Symposium. 485-486 (1989)
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[Publications] S.Mizushina: "Temperature profiling in biological structures by microwave radiometry" Contribution presented at the Workshop on Non-invasive Thermometry,European Common Market Countries Biomedical Engineers,Viterbo,Italy,November 1989.(1989)
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[Publications] S.Mizushina: "Effects of water-filled bolus on the precision of microwave radiometric measurements of temperatures in biological structures." To be presented at the 1990 IEEE MTT-S International Microwave Symposium,Dallas,Texas,May 1990.(1990)
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[Publications] S.Mizushina: "Present status and prospects for clinical application of non-invasive temperature measurement" Paper presented at the U.S.-Japan Cooperative Cancer Research Program,Radiation Oncology,March 1990,Kyoto,. (1990)