1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460224
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
吉川 敬治 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 了 埼玉大学, 工学部, 教授 (90019753)
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80107375)
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Keywords | 拡散接合 / 疲労強さ / 炭素鋼 / 非破壊検査 / 変態超塑性 / 超音波試験 / 平板 |
Research Abstract |
拡散接合した部材が繰り返し負荷を受ける場合、接合界面に応力集中を生じる結果、疲労強度は低下する。本研究では、拡散接合した部材の疲労特性を明らかにすること、及び繰り返し負荷に伴う材質劣化の過程を光学計測及び超音波試験により非破壊的及び非接振的に追跡することを目的としている。平成元年度は炭素鋼同士を拡散接合し、疲労強度の測定を行った。すなわち、炭素鋼を板状(幅30mm、長さ100mm、厚さ5mm)に加工し、接合装置により拡散接合を行った。この際、接合温度および接合圧力を変えて接合実験を行ない、良好に拡散接合する条件(定常接合条件)を調べた。次いで、この定常接合条件で拡散接合を行い、20〜30個の拡散接合材を得た。得られた接合材を超音波試験して接合部寸法が所定の大きさに達しているものを選別した。ついで、引張りせん断の疲労試験を行い、以下の結果を得た。 (1)静的引張りせん断試験においては接合部を貫通するモ-ドII型(せん断)破壊を生じたが、疲労試験においては接合部周りの母材中をき裂が進行するモ-ドI部(垂直)破壊となった。 (2)疲労破壊までの繰返し数と試験荷重の関係(SN線図)は、繰返し数を対数で取るとほぼ直線的となり、繰返し数が10^6を超えると一定の荷重に収斂する傾向を示した。 (3)超音波試験により接合部寸法を推定して接合面積を一定にして実験を行った結果、SN線図におけるデ-タのばらつきはかなり抑えられた。 以上の研究成果をもとにして、今後は疲労き裂の発生・進展過程を非破壊あるいは非接触で推定する方法の開発を目的とした研究を進めてゆく。
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