1989 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを自家発電などへ総合利用するための立地別最適条件を究明する実験研究
Project/Area Number |
01460238
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
清水 浩 岩手大学, 農学部, 教授 (00091645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種田 健造 岩手大学, 農学部, 教授 (20163644)
鳥巣 諒 岩手大学, 農学部, 助教授 (70038264)
木村 俊範 岩手大学, 農学部, 助手 (60111241)
木谷 収 東京大学, 農学部, 教授 (00024539)
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Keywords | バイオマス / 熱分解ガス化 / 上向流式炉 / バイオガスエンジン / 液体タ-ル / 液化燃料 |
Research Abstract |
初年度であるが、以前から蓄積していたバイオマス熱分解の基礎実験成果と,それを基にした実用槽へのシュミレ-ション結果を用い、独創的で可変的な熱分解実験装置を7月末までに設計完了し、製作依託して9月末までに試作完了した。その間、熱分解の基礎実験を並行実施して必要資料を一部補足した。10月以降は試作装置を組み立て調整し、自動化装置・計測装置などを装備した。11月中旬から装置の試運転へ入り、部分改良しつつ機能を検証し、かつ、試料採取して分析研究した。それらは総て、当初計画どうりに実施された。 バイオマス熱分解炉には、大別して上向流式・下向流式・流動床式があって国際的に活発に試作研究されているが、各々に困難な問題点があり、実用化は達成不能な現状である。本研究は、その上向流式炉についての本質的問題点を解決した上で、最良運転条件を究明検出し、現状打開を目的とした。本年度の研究から下記の主要成果を得た。 (1)在来の上向流式炉の場合、原料の乾燥・熱分解過程で生成する大量の水蒸気が炉内で冷却凝縮し、炉内反応を著しく阻害することを探知して、その克服を重点課題とした。試作装置はほぼ充分に機能し、排出ガスを指示温度120℃へ自動制御できた。未だ逸脱が大な場合もあったが、材料供給の架橋現象に起因するとみられ、さらに改善して完ぺきを期する。(2)上記の温度制御の結果、排出ガスの冷却過程でガス分と分離して大量の液体分を炉外へ捕捉できた。その液体分を分溜温度別にガスクロで分析して、水分率などを定量した。(3)上記の液体分中から清浄な液体燃料を分離取得できた。液体分はミスト状を成すので、冷却過程での水との効率的な分離法には未だ研究を要するが、バイオマス地域利用システムのための主要な基礎条件を確認できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 清水浩: "バイオマス資源の熱分解による熱と動力への利用" 太陽エネルギ-. 16(1). 20-26 (1990)
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[Publications] H.Shimizu,T.Kimura: "Integrated Regional System of Thermal Utilization of Biomass Resources." Agri.Mach.in Asia,Africa and Latin America. 18(1). 65-71 (1986)
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[Publications] 清水浩: "バイオマスの熱分解条件の究明(第1報)" 農業機械学会誌. 47(1). 73-78 (1985)
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[Publications] H.Shimizu(Edited by O.Kitani and C.W.Hall): "III-3.3.7 Other Raw Materials,“Biomass Handbook"" Gordon and Breach Science Publishers,Inc.(New York), 1200 (1989)