生体力学的観点によるスポ-ツサ-フエイスとシュ-ズの評価に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01460260
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 桐生 武夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016356)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 三上 貴正 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70181857) ; 下嶋 浩 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016629) ; 松本 浩之 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016416) ; 小野 英哲 東京工業大学, 工学部, 教授 (80108240) ; 中原 凱文 東京工業大学, 工学部, 教授 (50095717)
• Keywords: 生体力学 / スポ-ツサ-フエイス / シュ-ズ / 圧力センサ- / 緩衝作用 / 硬さ測定装置 / 障害発生 / 生理学的測定

Research Abstract

1.縦200mm、横300mmの広さに63点の測定点を持ち、それぞれ最高64μsの速度で64点サンプリングすることができる床置式の動的足圧分布計測システムを開発した。これにより足圧分布の時間変化の計測が可能となつた。素足でゆつくり走行した時に比較して靴を履いた場合には、足圧分布域が踵から足裏前部に徐々に移動する。合力は踵が最初についた時に急激に立ち上がり、やがて足裏全体がついた時に最大となり、最大値は靴を履くことにより素足の場合の約80%程度に減少する。
これにより靴による足圧の緩衝効果が実験的に確認された。
2.サ-フエイスおよびシュ-ズの緩衝作用に関し、これまでの心理反応の抽出に加え、同一実験条件下で被験者の下肢筋の表面筋電図および床反力を測定した。その結果、着地時の衝撃作用時間における平均筋放電量および平均荷重と心理反応の三者が互いに高い相関性を有することを明らかにし、生理的、生体的緩衝作用の指標として、求めた二種の数量が有効であることを示した。さらに、屋外競技や体操競技などの特にサ-フエイスの柔かい場合においては、緩衝性、反発性のみならず姿勢保持の観点からの安定性もサ-フエイスの評価を左右する重要な要因であることを明らかにし、安定性測定装置を設計・試作した。
3.シュ-ズ性能のひとつである衝撃吸収性や姿勢制御の観点から、ミッドソ-ルの硬度及び密度の質的変化が、落下動作時に生体系に及ぼす影響を検討した。結果は以下に示す通りであつた。1)足底圧の変化は、踵部において顕著であり、シュ-ズA・B・D・Cの順で硬度及び密度の減少に伴ない、足底圧波形のピ-ク値が減少する傾向が認められた。2)着地後の活動電位の振幅は、シュ-ズA・B・Cの順で硬度及び密度の減少に伴ない減少する傾向が認められた。しかし、シュ-ズDでは硬度は低いが、活動電位の振幅はシュ-ズAと同様な傾向を示した。

Research Products

• [Publications] 宇治橋 貞幸、渡辺 純一、足立 忠晴、松本 浩之: "圧電素子を用いた床反力分布測定用センサ-の開発" 日本機械学会スポ-ツ工学シンポジウム1990講演論文集. NO.900ー66. 30-33 (1990)
• [Publications] 下嶋 浩: "人間の動作の滑らかさの評価" 日本機械学会スポ-ツ工学シンポジウム1990講演論文集. NO.900ー66. 89-92 (1990)
• [Publications] 足立 忠晴、宇治橋 貞幸、渡辺 純一、松本 浩之: "圧電素子による床反力分布の測定用センサ-の開発" 日本非破壊検査協会 第4分科会資料. NO.4827. 25-31 (1990)
• [Publications] 相原 康二: "ミッドソ-ルが生体に及ぼす影響" 日本機械学会スポ-ツ工学シンポジウム1990講演論文集. NO.900ー66. 13-17 (1990)