1989 Fiscal Year Annual Research Report
知識工学を用いた書道CAIシステムに関する基礎的研究
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01460271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
手塚 慶一 大阪大学, 工学部, 教授 (20028955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内尾 文隆 大阪大学, 工学部, 助手 (90185017)
馬場口 登 大阪大学, 工学部, 助手 (30156541)
中西 暉 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029098)
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Keywords | 書写学習 / CAI / 毛筆文字 |
Research Abstract |
本研究はコンピュ-タを用いた書写教育の機械化を目的としたもので、本年度の主たる研究成果を以下に要約する。 1.書写ル-ルの定量化 文字を美しく書くために必要な決まり(書写ル-ル)の中で非常に抽象的なル-ルについて定量化を行った。その結果文字の大きさに関する決まりは2次元での分散にあたる広がり量に視覚的補正を行った特徴量(改良型広がり量)および複雑度の特徴量に関係があることが分かった。これら特徴量を用いて文字の大きさを計算機を用いて正規化したところ、書家2名による主観評価の結果89.7%、84.0%と本手法が非常に有効であることが確認できた。さらに字行バランスをとる(文字を蛇行させずに真っ直ぐ並べる)決まりについては、従来文字の重心を用いるのが良いとされていた。しかし主観量は人の視覚系の影響を受けているとの観点から人の視覚モデル(側抑制モデル)を用いた手法を提案した。主観評価実験の結果81%の有効性を確認できた。 2.毛筆文字添削システムの開発 書写CAIを開発するためには、書道テキストに書かれた知識以外に書家が経験的に有している知識も必要となる。しかし、この様な知識は書家が悪い文字を添削しているときに無意識に用いられるため、書家にインタビュ-を行っても知識の抽出は困難である。したがって本研究では、書家に文字の修正を行ってもらいその修正動作の履歴から書家の持つ経験的な書写知識の抽出支援を行うことを目指し、毛筆文字添削システムの開発を行った。本システムの特徴は書家の添削過程をモデル化しており、書家の次の添削動作を予測しながら添削メニュ-を表示する。そのため書家の思考を中断させずに円滑な添削動作が可能となる。また本システムは書写CAIにおいて学習者が書写規則を学習したかどうかの確認のための悪い文字に対する添削実習にも用いることができる。
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[Publications] 内尾,樋口 他: "毛筆文字の感覚的大きさの一正規化手法" 電子情報通信学会論文誌. Vol.J72 DIINo.10. 1650-1656 (1989)
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[Publications] F.UCHIO et al.: "A Method of Normalizing Appearance Size of Brushwritten Chinese Chavacters" Raster Imaging and Digital Typography. 144-153 (1989)
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[Publications] 曽,内尾 他: "書家添削モデルを用いた毛筆漢字添削システム" 電子情報通信学会論文誌. Vol.J73 DIINo.2. 183-190 (1990)
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[Publications] J.ZEGN et al.: "A Computer Generation Model of Handwriting Brush-Written Chinese Character Pattern and its Application in Education" Proc.of The Fourth IGS Conference. (1990)