1989 Fiscal Year Annual Research Report
半導体マイクロ・クラスタ-を添加した有機薄膜の光学的性質
Project/Area Number |
01460273
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 敏弘 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10015745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 龍男 茨城工専, 電気工学科, 助教授 (30210123)
小川 力 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80015750)
大成 誠之助 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70015824)
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Keywords | マイクロ・クラスタ- / 半導体クラスタ- / cdS / cdSe / ポリアミド薄膜 / 発光 |
Research Abstract |
種々の形状を持ったマイクロ・クラスタ-・ビ-ム発生源用ヒ-タ-の試作及び有機材料ガス発生用の炉を製作した後、クラスタ-材料としてはCdS及びCdSe、マトリックス材料としてポリアミドを選び試料の製作を行なった。その結果直径7〜8nmの比較的サイズのそろった試料の製作に成功した。その試料の熱処理の結果、ガラス中のクラスタ-と異なりクラスタ-のサイズは不変で、熱処理に対して安定である事が分った。又吸収・光音響・発光スペクトルの測定の結果、吸収端・発光ピ-クの高エネルギ-側へのシフト、真性発光帯強度の減少及び欠陥発光強度の増強が観測された。これらの結果の一部は、1989年の秋の応用物理学会で発表した。その後より小さなサイズのクラスタ-の製作ならびにクラスタ-形状の正確な測定、クラスタ-密度の増大を目的として、クラスタ-ビ-ムとマトリックス材料の交互蒸着法を採用して、より詳細な試料製作条件の検討を行なった。その結果、クラスタ-の形状は球形である事が分った。又顕微X線回析の結果、微小クラスタ-は六方晶形でなく立方晶形であるらしい事が判明した。又この方法で密度を増加させることが可能な見通しが持てた。しかしながら、大面積に渡って一様な密度を有する様にするのはかなり困難である事も分かった。これらの結果は次の応用物理学会で発表する予定である。 尚参考の為同時に行なっているグラスマトリックスcdS及びcdSeクラスタ-の発光の緩和過程測定によれば、幾種類かの緩和機構が存在し、速い過程は十数ピコ秒、遅い過程は数百ピコ秒の緩和時間を持つ。又それらはサイズの減少と共に早くなる。又欠陥発光のピ-ク波長ははじめは温度の低下と共に短波長側にシフトするが、ある温度以下では長波長側に移動しはじめる。このシフトが逆転する温度は、クラスタ-サイズが減少すると高温側にシフトする事等を発見した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 新井敏弘,猪熊孝夫,石川満: "Size-dependent photoluminescence Decay of CdS Microcrystals in Germanate Glassy Matrix" M.R.S.Meeting at Boston. 予定. (1990)
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[Publications] 新井敏弘,梅津郁朗,小川力: "Temperature Dependence of Photoacoustic and Photoluminescence Signals for CdS_xSe_<1-x>Microcrystals" Jpn.Jour.Appl.Phys.28. 477-483 (1989)
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[Publications] 新井敏弘,藤村秀彦,梅津郁朗,小川力: "Effect of Size Confinement on the Electronic States of CdS Cluster in a Germanium Oxide Matrix" Jpn.Jour.Appl.Phys.28. 484-489 (1989)
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[Publications] 新井敏弘: "物性を測る、クラスタ-中のエキシトン" 日本物理学会誌. 44. 252-255 (1989)