1990 Fiscal Year Annual Research Report
花芽形成誘導物質の単離・同定とその作用機作に関する研究
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01480013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧本 敦 京都大学, 農学部, 教授 (90026443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹葉 剛 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (10046500)
平井 伸博 京都大学, 農学部, 助手 (00165151)
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Keywords | 花成誘導物質 / アオウキクサ / カテコ-ルアミン / ノルエピネフリン |
Research Abstract |
ほとんどすべての植物、とくに、敏感な短日植物であるアサガオ及びアオウキクサ、の水抽出物はきわめて低濃度でアオウキクサ151の花成を誘導する。抽出物中に含まれる花成誘導物質(FIS)の大部分(熱に安定)は抽出後につくられるものであるが、植物体摩砕物の遠沈上清と沈澱(pellet)を別々にインキュベ-トしてもFISはほとんどつくられない。また、摩砕物を窒素ガス中またはアスコルビン酸存在下でインキュベ-トしてもFISはつくられない。 チロシンの酸化的代謝物であるカテコ-ルアミンもpelletと共にインキュベ-トすると活性を示すようになり、なかでもノルエピネフリン(NE)は非常に有効である。アオウキクサの水抽出物中には相当量のNEが存在し、同量のアオウキクサ抽出物から得たpelletとNE画分を混ぜることによって、粗抽出液と同じ程度のFISが得られ、水抽出物の活性はほとんどNEの関与するFISだけで説明することができる。 無傷のアオウキクサをNE溶液に浸しておくだけでも外液は活性を示すようになるが、アオウキクサを浸しておいた水にNEを加えても活性は現われない。また、NEをKOH溶液に溶かすと、ある条件下ではかなり高い活性が現われるが、その条件(NE,KOHの濃度、反応時間等)は極めて微妙、かつ複雑である。これらの結果はFIDがNEからつくられる物質であることを示唆する。 水抽出物に含まれるFISの化学分析の結果は活性成分がカテコ-ルアミン由来のメラニン前駆体様物質であることを示唆しており、上記の結論と矛盾するものではない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Atsushi Takimoto: "Flowerーinducing activity of water extract of Lemna" Plant and Cell Physiology. 30. 1017-1021 (1989)
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[Publications] Sumiko Kaihara: "Flowerーinducing activity of water extracts of various plant species,in particular Pharbitis nil" Plant and Cell Physiology. 30. 1023-1028 (1989)
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[Publications] Atsushi Takimoto: "Production of waterーextractable flowerーinducing substance(s) in Lemna" Plant and Cell Physiology. 31. 887-891 (1990)
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[Publications] Sumiko Kaihara: "Production of flowerーinducing substance(s) by the treatment of Lemna extract with some enzyme preparations" Plant and Cell Physiology. 31. 1049-1052 (1990)
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[Publications] Sumiko Kaihara: "Interaction between Lーpipecolic acid and water extracts of various plant species in floral induction of Lemna paucicostate" Plant and Cell Physiology. 31. 1059-1061 (1990)
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[Publications] Atsushi Takimoto: "Inovolvement of norepinephrine in the production of a flowerinducing substance in the water extract of Lemna" Plant and Cell Physiology. 32. (1991)